３０６：ありがとう 〜J〜 ページ26
「んで、お前らがいんだよ。」
スーツに着替えて髪をセットしてたら、見慣れた４人の顔が鏡越しに並んで見えて。
ドラマ撮ってた俺は時間ギリギリで。
てかさ？どこに隠れてた？
雅「だって俺ら、運命共同体でしょ？ちゃんとお付き合いします。」
「…それはありがたいけど…その格好…。」
袖で見てるならなにもスーツじゃなくても…。
翔「リーダーがどうしても皆一緒にって…。」
苦笑いを浮かべた翔くん。
智「だってリーダーからも挨拶しないとでしょ？」
和「あんたまともな挨拶できるんすか？こういうのは翔さんに任せとけばいいんです。」
雅「俺はね…ん〜松潤とAちゃんの仲の良さをアピールしようって思ってる。」
「いや…遠慮しとく。」
口を滑らせて余計な事を言いそうだ…。
「はい。終わりました。」
「あぁ。ありがとう。」
和「いつにも増してカッコいいじゃないっすか？」
「今日くらいはな…。」
翔「さて…行きますか！」
まさか５人並んで会見するとは思わなかった。
でも…やっぱり心強いな…。
入場の合図をされて、会場に足を踏み入れる一瞬に後ろを振り返って、
「ありがとう。」
返事を聞く事もなく、４人も返事をする事なく会場に踏み入れた。
目が眩む程のフラッシュを浴びて、俺を真ん中に５人で並んで一礼をした。
「本日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございます。既にご存知かと思われますが僕、松本潤は同じ歳の一般女性と婚約し、来年２月１４日に入籍する事をここにご報告致します。」
フラッシュの嵐の中、記者からは思い思いの質問が飛んできて…。
できる限り包み隠さず誠実に答えようと決めていた。
それが今まで俺を俺たちを応援してくれた人達に対する礼儀だと思うから…。
ー出会いは？
「出会いは彼の友人です。」
隣のニノの腕を叩いた。
まさかニノの彼女の友達とは言えず。
そこは…ねぇ？
和「すごい美人さんですよ？あわよくば僕が欲しかったですけどね…。やっぱJには敵いませんでした。」
冗談混じりに飄々と答えるニノ。
やっぱりこういう時はニノと翔くんだ。
ーどちらから？
「僕からです。最初は相手にもされなくて『迷惑だ』って言われたくらいです。」
ーそれでも？
「はい。それでも好きで好きで諦められなくて。」
和「も〜それはそれは健気に頑張って。見てるこっちが切なくなるくらいでした。」
雅「うん。だから今でも松潤のベタ惚れの溺愛。」
やっぱり相葉くんは…少し頼りない…。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年12月21日 16時
