今日…僕は恋をした Part.８ (ページ23)

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３０３：名残惜しい～J～ページ23

俺のマネジャーに連れて来られたAは目が真っ赤で。

「…おいで？」

手を広げて言うと、また目を潤ませて俺に抱きつきしがみつく。

「『ドームで』って言ったの覚えてる？歌もリクエスト通りだったろ？」

「…ホントにするなんて…。」

ギュ～ッてキツく抱きしめ、首筋に顔を埋めた。

「なぁ…俺、まだ返事もらってねぇけど？」

「…嘘つきだからお預け。」

「どこが？俺、嘘なんてついてねぇよ？」

「だって…来年…って…。」

「入籍は来年だろうが。嘘ついてねぇよ。」

「…バカァ…。」

「はは。ひでぇな。旦那になろうって相手に『バカ』って。」

「まだ返事してないもん。」

確かにな…。
けど…もらわなくても確信はしてるよ？俺は。

雅「ねぇ、気持ちはわかるけど…とりあえずさ？急がないと飛行機乗り遅れるよ？」

和「ですね。誰かさんみたくキャンセル待ちしなきゃならなくなりますよ？」

翔「はい。すみませんでした。」

そんな会話を背後で聞いて…。

「A…帰ったらちゃんと…な？」

「…ん。待ってる。」

「あぁ。お利口さんで待ってて？」

頬にチュッてして抱きしめてた腕を離す。

智「んふふ。腕が名残惜しそうだ。」

「腕だけじゃねぇよ。全部が名残り惜しい。」

できる事なら一緒に帰りたい。

和「もう少しの辛抱ですよ。結婚すれば堂々と一緒にいれるんだから。」

「…だな。」

潤んだ目で俺を見上げるAも離れ難いのか、まだ俺の服の袖を握りしめている。

頬に残る涙の跡を親指で拭って、

「大丈夫。Aのトコにちゃんと帰るから。」

そう言うとかろうじて微笑むAにそっとキスを…

和「ストップ！！」

「んだよ！キスくらいいいだろうが！」

和「んなもん見たかないんです。」

「見なきゃいいだろうが！どっか違うトコ見てろ！」

ニノから視線をA戻すと、頬を赤くして恥ずかしそうに上目遣いで俺を見上げる。

「フッ…可愛い。」

素早くチュッてキス。

雅「あ～ぁ、やっちゃった。」

智「んふふ。我慢できなかったんだ。」

「あぁ。だって可愛いだろ？」

『はいはい。』

額と額をコツンとくっつけて…

「後でな？」

「…ん。」

そうは言っても腰に回した腕は離せなくて、そのままAの潤んだ目をジッと見つめてた。

和「お宅らどんだけイチャつくの？」

雅「ホントいい加減にしないとマジに時間ないよ？」

本当の本当にタイムリミットらしく、マネージャーにAを託して急いで帰る支度をした。