２９５：社長出勤 〜J〜 ページ15
ツアー最後の地の福岡へ。
遅刻の翔くん以外でリハを始めて。
お客さん目線でメンバーの踊ってるとこを見たり…自分のソロを確認したり…。
智「オイラんトコはリハいいから。」
和「おっさん？またですか？」
智「んふふ。うん、だって恥ずかしいじゃん。皆に見られるの。」
和「ダメだ…このおっさん。」
それぞれ個人に分かれて、スタッフと話し合い…。
俺は資料を見ながら全体の演出を見直したり…。
智「ねぇ？Aちゃんはいつ来んの？」
「今日の最終便で来る。」
和「見るのはオーラスだけなのに？」
「あぁ。」
ツアーが始まって、ここ２ヶ月起きてるAに会える貴重な週末がほぼ潰れた。
仕事とはいえ…禁断症状が出そうで渋るAに無理言って前乗りしてもらう。
終わった後はスタッフとの飯もあったりなんかするけど、どうせ来るなら…『俺にAを充電させて？』って我儘言った。
『もう一生我儘言わない』って言った俺だったけど、優しいAは俺の気持ちを汲んで頷いてくれた。
雅「どこ泊まるの？」
和「愚問でしょうよ。」
智「んふふ。もう怖いモンないか。」
「いや…あるよ。」
たった一つだけ。
智「うん？」
「Aを失う事。それだけは…すげぇ怖えよ。」
それ以外…仕事は自分が頑張ればいい事で。
智「うん。そっか。」
和「俺はこれからJがやろうとしてる事も怖いですけどね？」
雅「んでもさ？俺はワクワクしてるけど。」
和「他人事だからでしょ？」
雅「うん！もっちろん！観客になる。」
和「まぁ？どんな事をしても絵になる形になる男…松本潤ですから？それはそれはカッコいいんじゃないっすか？」
智「んね？」
からかってるのか応援してくれてんのかわからないけど…。
コンサートは俺だけのモンじゃなくて、メンバーのファンのコのモノでもあるのに、少しでも私物化する事を許してくれた。
そこは本当に感謝してもしきれない。
「櫻井さん、到着しました〜。」
スタッフの大声と共に、バツの悪そうな顔で社長出勤してきた翔くん。
和「これはこれは櫻井社長。お疲れ様です。」
翔「はい！申し訳ありませんでした！」
ガバッと頭を下げた翔くん。
雅「この時期だもんね？しょうがないよ。」
優しい相葉くんはそう言って。
智「オイラ達終わったからひとりでどうぞ？見ててあげる。」
和「ダメ出ししてあげる。」
「翔くん？とりあえずソロいいかな？」
頷いた翔くんがステージに上がった。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年12月21日 16時
