２９４：気分爽快 ページ14
あれだけ仕事してるのに、どこにこんな体力があるのか…。
私は逆にぐったりで。
「あぁ〜…スッキリ。気分爽快だ。」
本当に気分爽快なのか鼻歌が聞こえてきて…。
「…。」
「ククッ。Aちゃんはご機嫌ナナメ？」
「『もう無理』って何回も言ったのに…。」
「そう言いつつもお前も喜んで『バカ！変態！』」
潤くんの背中をパチンと叩くと『いってぇ』って笑いながら言って。
「だってさ？俺、どんだけ我慢してたと思うんだよ？無防備なお前が隣に寝てて悶々とした日々を送ってったってのに…ひどい仕打ちだ。」
「エロアイドル…。」
「男はみんなエロイんです。」
当たり前の事の様に開き直る潤くんに呆れて物も言えない。
「テレビで流したら？カッコつけてても頭の中はこんなですって。」
「んとにひでぇ。仮にも旦那にしようって相手にさ。」
「まだあの事完全に許してないから仮でもないです。」
もうとっくに許してるんだけど意地悪の仕返し。
「え？マジ？マジ言ってんの？」
「逆に聞くけど、あれだけの事しといてそんな簡単に許されるとでも？」
「…そんな事…思っては…ねぇけど。」
この事については本当に私には頭が上がらないのかさっきまでの威勢は何処へやら。
シュンとなって『ごめんな』って口調も優しくなる。
可愛い潤くんに思わず笑ってしまう。
「マジでドームでプロポーズするからさ？『うん』って言ってな？」
そんな事無理でしょうに、真面目に言う潤くんが可愛いくて。
「ふふふ。どうしよっかなぁ。あ！」
「うん？」
「じゃぁ…ドームであの曲聞きたいな。」
無理だってわかってて私もその冗談に乗っかり冗談で返す。
願望を話したり想像したりするのはタダだしね？
「ん？どれ？『One Love』？」
「あれは絶対イヤ！」
「え？なんで？あれは結婚の定番曲で…。」
「潤くんて意外とデリカシーないよね？」
「え？え？どうしてまた不機嫌？」
低い冷たい声で返す私に焦ってる潤くん。
「浮気相手との曲なんて自分のプロポーズの時に聞きたいわけないでしょ？」
「あ！あぁ！！そ、そうか！うん！そうだな！ごめん！で？Aはどの曲がいいんだ？」
「…曲名わからない。」
「…。」
絶句の潤くんに鼻歌と所々覚えてる歌詞を歌いながら伝えて。
「わかった。了解。」
「ふふふ。楽しみにしてるね？」
無理だってわかってて言う私も大概根性悪いかな？(笑)
でもドームじゃなくても潤くんなら歌は歌ってくれる…かな？
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年12月21日 16時
