２１０：精一杯 〜J〜 ページ10
リーダーと一通り見て回った店内で、俺はやっぱりコレを選んだ。
『可愛いじゃん。きっと似合うよ？』
『あぁ。』
ハートモチーフのシンプルな指輪。
隣のショーケースには大きな石の付いた指輪…。
いつか…いつかきっと…。
『大丈夫だよ〜。きっと待っててくれるよ。』
ふにゃふにゃ笑うリーダーが言うと、ホントに大丈夫な気がしてくるから不思議だ。
『今の俺にはコレが精一杯かな…。』
『Aちゃんなら喜んでくれるよ。そういうコでしょ？コレを渡す意味も…松潤の気持ちも理解してくれる。』
『…だな。』
リーダー？やっぱりAはAだったよ？
「…あり…と。」
「おいで？」
両手を広げると、躊躇なく俺の腕の中に飛び込んできて、首に手を回しギュ〜ッと抱きついてくる。
「気に入ってくれた？」
「ん。」
「よかった。」
頭を撫でてやると、自分の首筋が段々と濡れていき…。
「嬉し泣き？」
「…ん。」
「ならいい。」
多分…Aは気づいてるはず…。
「なぁ…？」
「ん？」
「お前を信じてない訳じゃない。それに…お前を縛るつもりもない。」
今でも…縛ってんのと同じ事だろうけど…やっぱり…少し違う気がして。
「…ん。」
「けど…だから…今は……今は右手な？」
あまりに支離滅裂な言い方だったけど…直接的な言葉は今は言いたくない。
さっきまで『お嫁さん』なんて言ってたけど、友梨ちゃんに言うのと、Aに言うのとじゃ、当たり前だけど重みが全然違う。
「潤くん？」
「うん？」
「ちゃんと…ここで…いいコで待ってるよ？もう逃げないよ？」
「あぁ。そうしてもらえると助かるよ。てかな？二度と逃がさねぇ。」
「好きよ？大好き。」
そう言ったAが首筋から顔を上げると、涙でぐしょぐしょで。
「はは…泣き過ぎ。」
親指でAの頬の涙を拭ってやると、ふんわりと微笑んでチュッと可愛いキスをくれる。
「お礼のちゅぅ。」
「俺…お礼はこっちのがいい。」
そう言ってAの胸の上に手のひらを乗っけると
「もう！バカ！」
ってその手を振り払う。
「はは…ひでぇな。Aちゃんは…。」
「どっちがよ！せっかく感動してたのに…変態！」
俺の頬を軽く摘まんでにゅ〜って伸ばしてる。
「ふふ。イケメンが台無しよ？変態スーパーアイドルさん？」
「マジでひでぇな。こんなにお前の事愛してんのに…。」
「その手には乗りません。」
「んじゃ？これは？」
Aを引き寄せキスをした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 426人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおなな
| 作成日時：2013年11月7日 8時
