２０８：お嫁さん ページ8
「はい。友梨ちゃん。」
コーヒーとケーキを出してると、潤くんが友梨ちゃんに袋を差し出す。
友梨ちゃんはいきなり名前を呼ばれて…
「…は、はい！」
って上ずった大きな声で返事。
「大した物じゃないけど…パリのおみやげ。」
「え？！」
ゆっくり手を差し出す友梨ちゃんの手の上に袋を乗せた。
「マ、ママ！どうしよう？！松潤からもらっちゃった！」
お義姉さんに抱きついて。
「はは。相葉くんじゃなくてごめんね？」
「ううん。ありがとう！友梨、嵐みんな好きだよ！」
「ありがと。」
潤くんのアイドルスマイルに目がハートの二人。
「で、マジのマジでAで…いいんすか？」
真剣に言うお兄ちゃんに、やっぱり真剣な視線向ける潤くん。
「はい。ご両親にもお話ししましたが…僕は今もこれからもA以外考えられません。」
「…大河の事は…。」
「その事も含めてAだと思ってます。逆に俺の方が色々と不便や我慢させてる立場なんで…こんな俺でいいのか…。」
眉を下げて少し泣きそうな顔な潤くん。
「…Aがいいなら…幸せならそれでいいんですよ。俺達も両親も。」
「…幸せよ？すごく大事にしてくれてるの。潤くんだから大河の事から一歩踏み出せたの。」
「…それなら俺らは言う事ないですよ。」
お兄ちゃんはそれだけ言ってコーヒーカップを持ち一口飲んだ。
「Aちゃん…松潤のお嫁さんになるの？ドレス着るの？」
目をキラキラ輝かせて言う友梨ちゃん。
「えっ？！」
驚く私に、
「もうちょっと先かな？けど…いずれね？Aちゃん貰っちゃっていいかな？」
って笑って言う潤くんに更にびっくり。
「すごぉ〜い！Aちゃんすごぉ〜い！」
唖然と潤くんを見るけど…
潤くんは笑ってるだけで。
「ねぇ、ママ！Aちゃん、松潤のお嫁さんになるんだって！すごいすごい！」
「松潤が義理の弟…。」
お義姉さんも放心状態で…。
「ははは、友梨ちゃん？もうちょっと先ね？それとね…俺とひとつ約束してくれる？」
「うん？」
「Aちゃんをね、俺のお嫁さんにするには…友梨ちゃんのパパとママ以外には秘密にしなきゃならないんだ。」
「うん。」
「だから…お友達にも秘密にしといてもらえるかな？秘密がバレちゃったら、Aちゃんお嫁さんにできなくなっちゃうから。」
「うん！わかった！」
友梨ちゃんが真剣な顔で頷くと、潤くんは友梨ちゃんの前にしゃがみ込んで、『お利口さんだね？』って頭を撫でた。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年11月7日 8時
