２２９：野次馬 〜静香〜 ページ29
『彼がね…？静香ちゃんにお詫びしたいんだって。まどかも…彼の仕事仲間も一緒だけど…いいかな？』
ってAさんに言われて、深く考えずに二つ返事でオッケーをした。
Aさんの彼氏さんにも興味があって。
そんな野次馬根性的な気分で、Aさんの行きつけのバーに行くと待っていたのは…
まさかの…嵐…。
まさかの…松潤…。
いや…ね？Aさんくらいの美人で優しい人には、やっぱり彼氏もそれなりだろうなって思ってて。
前に遠目でチラッと見た時も、雰囲気はカッコよかったから、どんなイケメンなんだろってワクワクしてた。
うん…やっぱりAさんの彼氏はすごかった。
私の期待を裏切らなかった。
社内で噂になった人もすごかったけど、それに匹敵するくらいすごい…。
まどかさんは知ってたのか…元々、そんなに興味がないのか平然と嵐さん達とも話してて。
私はなんか…もう…どうしていいか…どこ見ていいかわからなくて。
だって、どこ見てもアイドルって…。
私の正面に座るAさんと…松潤…って呼んでもいいのだろうか…？
は、もうすっごくお似合いで、すっごく仲良くて…松潤からAさんが大好きってオーラがいっぱい出てて。
「A？これも食うだろ？」
「ん。ありがと。」
Aさんを見る目が、もぉもぉすっごく優しくて…
『きゃーっ』ってなる。
見てるだけの私がなぜかキュンキュンして。
さっきAさんのお友達が言ってたけど、松潤の生ドラマ見てるみたい。
Aさんに料理を取り分けてあげて、自分は食べずにAさんの腰を抱いて、ジッとAさんを見つめてる。
「美味い？」
「ん。はい。」
微笑みながら松潤にあーんてしてあげて。
「ね？」
「…あぁ。」
松潤も優しく微笑み…頭をポンポン。
すごい絵になって…ポーッと見惚れる。
ま「静香。その二人は相手にしない。」
『フー』ってタバコの煙を吐きながら言う。
「だ、だって…まどかさん。もぉ…なんかすごくって。」
和「ククク。何が『すごい』の？静香ちゃん？」
え？！今ニノに…『静香ちゃん』って…。
「Aさん！私、もう色々すごくいっぱいいっぱいです！」
観察どころの話じゃない。
「ん？気分悪い？大丈夫？」
心配そうな顔を私に向けてくれて。
「ち、違います。もう、この状況が…どこ見ても…あ〜違う！どこ見たらいいですか？！」
言ってる事があまりに支離滅裂だって自分でもわかって…言い切った後に恥ずかしくなった。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年11月7日 8時
