２２３：蛇の生殺し 〜J〜 ページ23
俺の上に乗っかるAが、チュッチュッてたくさんのキスをくれる。
「…A。俺いっぱいいっぱいなトコなんだけど…？」
「ふふ。我慢我慢。」
これじゃまるで…蛇の生殺しだ…。
「だって…ゆっくりキスもできてなかったでしょ？」
「俺はしてたよ？」
「え？！いつ？」
「俺が帰ってきて寝る時な。結構長い間してても起きねぇもんなんだなって。」
「…全然気づかなかった…。」
「お前は熟睡するとなかなか起きねぇから。」
『フッ』って軽く笑うとちょっとムッとする。
「どうした？綺麗なお顔が台無しだぞ？」
笑いながら頬をツンツンとする。
「…潤くんばっかりずるい。」
「はは。なんだそれ。」
「…だから今いっぱいして？」
にっこり笑ったAに、あり得ねぇ程の衝撃を心臓に受けて…。
「お前のがずりぃ。」
「ん？どこが？」
「お前が可愛い過ぎて…ずりぃの。」
「ふふふ。潤くん意味わからない。」
クスクス笑うAの頭と腰に手を添えて、お互いの身体の上下を素早く入れ替えた。
「んじゃ、Aちゃんのご要望通り、いっぱいしよ。」
「潤くんが我慢できる程度にね？」
「…そん時はそん時で…なんとかなんだろ？いざとなれば…ひとりで風呂入って…な？」
「…変態。」
「その変態にキスねだったのはお前だろうが。」
「…そうだけど…。」
唇を尖らすAにゆっくり唇を重ねた…。
・・・長い間お互い唇の感触に夢中になって…。
マジのマジでスイッチが入りそうで…若干入って…Aの胸の上に無意識で手のひらを乗せたら、すかさずその手を払い除けられて…。
「…終わり。」
「…。」
「ふふ。お風呂？」
「いや…ギリ平気。」
多分…な…。
「ね？上に乗っけて？」
「お前…わざとだろ？」
「そんな事ないよ？潤くんが『甘えていい』って言ったんじゃん。」
はいはい…そうでした。
Aの身体を支えて、今度は反対側にゴロンと転がる。
「ね？ギュ〜ッ。」
「はいはい。お姫様のおっしゃる通りに…。」
「ふふふ。幸せ。…潤くん大好き。」
「ホント…わざとじゃね？」
「ううん。素直に気持ち言ってるだけよ？さっきマイナスな事も素直に言ったからね？」
「あぁ…でも…お前がそうやって言いたい事言ってくれる様になったのは、俺も嬉しいよ。」
なるべくならケンカは避けたいけどな。
「ね？潤くんは？」
「…愛してるよ。」
そう言ったら俺に、ふんわりと微笑み可愛いキスをくれた。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年11月7日 8時
