２２２：複雑な心境 ページ22
目を細めて優しく微笑む潤くんは私のお腹を見つめて…ゆっくり撫でて…。
「…なぁ…いつ？いつ頃になんの？」
って…。
「…潤くん？あ、あの…あのね？」
「あ、そういやぁお前、鎮痛剤飲んでただろ？大丈夫なのか？」
「うん。それは大丈夫…けど、そうじゃなくて『あ、マネに電話しねぇと』」
私を膝から下ろすとチュッとキスをしてテーブルの上の携帯を手に取った。
「潤くん！ちょっと待って！」
慌てて携帯を取り上げて、クッションの下に隠した。
「ん？どうした？」
「違う…。」
「うん？A？何が違うんだ？」
「だから…赤ちゃんはいないの！」
「…え？」
「…その逆…。」
「『逆』？」
「うん…だから…月一回の女の子の日。」
「…。」
ポカーンとする潤くん。
「…え？…あ？マジで…？」
「できてたらこんな冷静でなんていられない。」
「…そっか…なんだ…。」
ホッとした様な…残念そうな…何とも言えない複雑そうな表情を浮かべてる。
「私、ちょっと症状が重くて…それで毎日薬飲んでるんだ。その薬飲んでると…絶対赤ちゃんはできないの…。」
「…そうか。そうだったんだ。」
やっぱり上の空の返事の潤くん。
「…なんかごめんね？紛らわしかったね？」
「いや…大丈夫。俺も…ごめんな？そんな時期とは知らずに…。」
「ううん。知らなくて当然でしょ？私のそのサイクルまで知ってたら逆に怖いよ…。」
「…なんか…俺…複雑…。」
私を抱き寄せて、肩に額を乗せて項垂れる。
そんな潤くんの背中をゆっくりゆっくり撫でる。
「子供ができたって…素直に嬉しかったのと…けど…できてなかったって…どっかでホッとしてる自分もいて…。ごめんな…俺…サイテーだ。」
それはしょうがない…当たり前だと思う。
潤くんだけの問題じゃない。
嵐さんにも…事務所の皆さんにも多大な迷惑をかける。
仮に『松潤でき婚』なんてなったら…社会的影響も計り知れない。
けど…
「潤くんは、ちゃんと喜んでくれたじゃない。それだけで十分よ。」
その気持ちが嬉しい。
「…なんか…俺…今日は自己嫌悪ばっか。」
まだ項垂れてる潤くんの背中をポンポンとして。
「ね？潤くん？お風呂は一緒に入れないけど…今日は一緒にベットに入れるね？ベットでギュ〜ッてして？」
「…。」
少し顔を上げた潤くんにチュッとキスをして、
「ふふ。仲直りのちゅうだね？」
って言ったらキツく抱きしめられて『ありがと』って掠れた声が聞こえた。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年11月7日 8時
