今日…僕は恋をした Part.６ (ページ20)

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２２０：どういうつもり？ページ20

「A。俺は久々に早く帰れたのに、ケンカなんてしたくない。それはお前も一緒じゃねぇのか？」

潤くんは一生懸命に自分は冷静になろうと努めてる様で。

話す合間に大きく深呼吸をする事でそれがわかる。

「…私…すごく嬉しかったのに…潤くんが全部台無しにしたんじゃない。」

「だから、俺の何が悪りぃんだ？」

「全部。」

「お前、それ答えになってねぇぞ。」

あ、まただ…。
感情的になりそうな自分を抑える為なのか、目をギュッと瞑り深呼吸。

「私は『無理』だって言った。」

「あぁ。」

「そしたら、すっごく面倒くさそうな顔をした。私の理由も聞かないで…。」

見上げた潤くんの顔が泣きそうに歪む。

「ごめん…そんなつもり…なかった。」

「じゃぁ…どういうつもり？だから、私はそれだけの為なら『他へどうぞ？』って言ったの。間違ってる？」

潤くんの凛々しい眉は、これ以上ないってくらい下がってて、目も切なそうに細めた。

「ごめん。マジで…俺が悪かったな…。」

「それなのに…何で私が怒鳴られるの？」

「ごめん。」

「潤くんは…今までの潤くんは、そういう思いやりっていうか…優しかったのに…。」

「ごめん。マジでごめん。」

ひたすら謝り続けるだけの潤くん…。

「一緒に住み始めたら…もう私の気持ちとかどうでもいいの？身体だけの関係になるんだったら…私…本当に出てく。」

「ちょっと待てよ。俺はそんな事思ってねぇよ。お前が好きで…一緒にいたいから…。だから俺…すげぇ頑張って…。」

何でかなんて私にはわからないけど、潤くんの声と腕が震えてて…。

潤くんの所に戻った時に潤くんにも言われて…そして自分でも決めた。

自分の考えてる事や気持ちを伝えるって…。
それが例え…お互いにとってマイナスな事でも。

一緒に生活をしていく上で、きっと大切だって思ったから。

それを溜めて溜めて…爆発した時よりは傷は小さいはずで。

「…私…寂しかった。ずっとこんな大きな部屋にひとりで…。だから…今日はすごく…嬉しかったのに…。」

「ごめん…。」

切なげに呟いた潤くんが、パッと私の手首を離すと、そのまま抱き上げて自分の膝の上に乗せた。

ギュ～ッと痛いくらいに抱きしめられて、耳元で『ごめんな？』を繰り返す。

「…いっぱい…。」

「うん？」

「いっぱい甘えてもい？」

「…あぁ。Aの好きなだけ…。」

「それじゃ…許してあげてもいいよ？」

「…明日ケーキも買ってくるよ。」

耳元で呟いた…。