今日…僕は恋をした Part.６ (ページ17)

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２１７：噂ページ17

私が幸恵ちゃんに食堂であんな事を言ったからか…。
幸恵ちゃんが大声だったからかはわからないけど…。

「噂って怖いですよね…。どんどん大きくなってく…。」

いつの間にか噂が噂を呼び…私の彼は…
『イタリア人のモデル』とか
『アラブの大金持ち』とか…

『普通に考えればあり得ないってわかるでしょ？』って言いたい。

けど、出処もわからない噂に対して言える訳もないし、反論した所で倍以上に返ってくるのが噂だ。

だから、噂が絶えるのを待つしかなくて…。

「そんな呑気な…。まぁ？静香ちゃんも所詮は他人事よね？」

「え？！そんな！そんなつもりないです！」

焦ってしどろもどろな静香ちゃん。
素直な彼女は、感情も直ぐに顔に出る。

やっぱり男の人ってそいう所が可愛いって思うんだろうな…。

「本当に普通の男の人なんだけどなぁ。」

ため息混じりにボソっと呟いた一言は静香ちゃんに聞こえてたらしくて…。

「私は遠目から見ただけですけど…雰囲気はカッコよかったですよ？」

「まぁ…見た目？ルックスはいい方だとは思うけど…。」

スーパーアイドルである潤くんのルックスが悪いとは…口が裂けても言えない。

私はアイドルのカッコつけてない潤くん…
ふとした瞬間の仕草なんかにキュンとしたりする。

って事はやっぱり潤くんはカッコよくて…。

「けどね？私…カッコいいから好きになった訳じゃなくて…。」

「わかります。Aさんは外見だけで人を判断したりする様な人じゃないって思ってます。」

真剣な目でそう言ってくれた静香ちゃん。

「ありがとう。あなたがそう言ってくれて…嬉しいし、噂なんてどうでもよくなったわ。」

「そうですか？それなら私も嬉しいです。」

そんな素直で優しい静香ちゃんに、今まで何度救われたのかな？

「あなたにも…やっぱり、ちゃんとお礼とお詫びしないとね？」

「いえ！そんな！」

「そうさせて？」

「え…でも…それじゃ返って…。お土産も頂きましたし…。」

「いいのよ。ね？私の気が済まないから。」

懇願する様に言うと、かろうじて頷いてくれた。