２１２：DVD 〜J〜 ページ12
「うっす。」
楽屋のドアを開けると…また一番最後。
最近ずっとそうだ。
まぁ…今までも遅い方ではあったけど。
和「出掛けにイチャつき過ぎなんじゃないっすか〜？」
椅子に座ると、DSをいじるニノ。
今日はリーダーも起きてニノのゲームを覗き込んでる。
ニノの彼女経由で、同棲開始がバレて…。
まぁ…別にバレてもなんら問題ない…くはない。
「今日はAのが先だったわ。」
雅「今日も『いってきます』のちゅぅもらったの？」
「あぁ。お返しに『いってらっしゃい』の濃いキスしてやった。舌絡めるヤツな。」
『…。』
そう、問題は弄られるって事。
けど、こういう風に切り返せば、それ以上弄られない事を最近学んだ。
皆の冷たい視線を背中で受け流して、バックを開ける。
あ！そうだった！
「相葉くん？」
雅「うん？」
「悪いんだけどさ、コレにサインしてくんない？」
４月に発売された俺らのライブDVDを差し出す。
雅「いいけど…。」
俺がこういう事をメンバーに頼んだ事は無くて、不思議そうに俺を見る。
「Aのな…姪っ子が…相葉くんのファンなんだ。…ユリちゃんね？」
雅「了解！ちょーいいコ。」
相葉スマイルを浮かべ、嬉しそうにDVDを受け取った。
和「…見る目ないっすね…。」
智「だぁね。でも子供に人気あるじゃん、相葉ちゃん。」
和「確かに(笑)『相葉』呼びされてるし(笑)」
雅「もぉ！外野煩い！僻むな！」
翔「俺はそれより…松潤がAちゃんの姪っ子を知ってるのが気になる。」
「え？知ってるってか…Aにそう聞いただけだよ。」
翔「聞いただけだったら、わざわざDVDにサインなんて頼まないんじゃない？」
んだよ…今日はニノじゃなく翔くんかよ…。
「いいだろ？Aに頼まれたの。」
翔「Aちゃんってそういうの頼むタイプじゃないでしょ？俺らの事興味ないし。」
しつけぇなぁ。
どうすっか…どうまくか…。
興味津々で俺を見る三人。
ニノは画面に目を向たままだけど…口元ニヤついてる。
「姪っ子を可愛いがってるAに頼まれた。以上、それだけ。」
そう早口で言って、相葉くんの前にあるDVDを取る。
智「プロポーズでもした？」
はっ？！
翔「あぁ、それでご挨拶？」
和「One loveは歌いませんよ？」
雅「え？んじゃ『虹』？ピッタリじゃん？」
「プロポーズなんてしてねぇよ。まだ、んな段階じゃねぇだろ？マジにAに頼まれただけ。」
DVDをバックにしまうと、逃げる様に楽屋を出た。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年11月7日 8時
