今日…僕は恋をした Part.５ (ページ10)

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１７０：浮気相手～J～ページ10

俺が５歳上の早希に出会ったのは、嵐としてデビューして多忙な日々が落ち着いた頃だった。

先輩の共演した友達で、１５、６の俺には５歳上の早希がとても大人に見えて、憧れて…。

その憧れの気持ちが恋に変わったのは…必然だったのか…。

当時の俺は、５歳上の大人の早希に見合う様にと精一杯背伸びして、イキがって。

…初めて俺を受け入れてくれた時は、すげぇ嬉しくて、俺も大人になった気分になれた。

それから早希との行為に夢中になって…。

俺は俺なりに…ガキはガキなりに本気で思ってた。
早希も同じだと信じて疑わなかった。

だけど…

「潤？彼にね…潤と浮気してたのバレちゃった。これっきりにしよ？」

って行為が終わった後のベットでタバコをふかしながら、なんて事の無い様に言った。

「…は？え？だって…俺達付き合ってたんじゃないの？」

「えぇ。だけど…潤が浮気相手で、彼が本命。」

そう言った早希は俺をバカにした様に笑うと、

「私が５歳も下の男の子に本気になるわけないでしょ？」

って…。

「何も知らない男の子を私好みにするって…結構楽しかったわ。」

俺のちっさいプライドは粉々にされた。

それからの俺は荒れて荒れて…。

こんなカッコ悪い過去…Aには絶対知られたくない。
自分の彼氏に、こんなカッコ悪い過去があるなんて思われたくない…。

そんな俺の変なプライドの所為で…Aは…。

・・・「なぁ？お前さ？」

「うん？」

「相手も…自分も大事にしてねぇヤツは誰にも大事にされねぇんじゃね？」

「…。」

「俺はAを大事にしてて…だからAも同じだけ返してくれる。…そういう事なんだと思う。」

俺の気持ちが少しでも早希に伝わってくれる事を祈る。

「もっとさ？自分も相手も愛してやれよ。自分はそうしないクセに、相手にはそれを望むなんて間違ってる。」

早希がジッと俺を見る。

「…俺は今幸せだし…同じだけAも幸せにしてあげたい。そういう事なんじゃねぇの？」

俺がそれだけ言うと、早希の目が更に潤んだかから席を立った。

きっと俺には涙を見られたくないだろうし、俺にはどうしてやる事もできないんだから。

携帯の時計を見ると既に深夜１時過ぎ…。
さすがにAに電話はできなくて…。

だけど…どんな理由や事情があろうとも電話しとくべき…。

いや…Aを最優先すべきだったんだって…。

…ごめん。

A…ごめんな…。