１９４：爪の跡 〜J〜 ページ35
「いってらっしゃい。」
そう言ってキスをくれるA。
「いってきます。いいコで待ってて？」
唇と頬にチュッチュッてして、笑顔のAの頭を撫でてから外に出た。
マネージャー迎え車に乗り込むと、
「よかったですね。」
って一言。
俺の顔つきがそんなに違うらしい。
「あぁ。翔くんが見つけてくれた。」
「そうですか。」
「あぁ。」
そのまま多くは語らずに現場に着き…。
「うっす。」
ドアを開けると翔くんだけ。
「おはよう。」
やっぱり翔くんは、俺の顔を見て笑ってくれただけで新聞に視線を戻す。
何となく落ち着かない俺は、携帯を取り出してAにメールを打とうとするけど…さっきまで一緒だった所為なのか…内容が思い浮かばない。
画面をジッと見つめて考えいると…
『おっはよ〜ん』
って三人一緒に入って来た。
適当に挨拶を返してまた画面に視線を向ける。
あぁ〜思い浮かばない…。
携帯をテーブルの上に投げるようにして置き、着替えを始めてる四人が視界に入って、俺も着替えを始める。
上着を脱ぐと聞こえるヒソヒソ声。
雅「ねぇ？あれ…。」
智「んふふ。さっそく盛り上がったんじゃない？」
鏡越しに見える四人は明らかに俺を見てて。
「んだよ？」
やっぱり鏡越しに四人を見てそう言う。
和「背中に爪の跡つけられてんだよ！」
ってニノが服を投げつけてきた。
え？！マジ？！
確認しようと思わず顔を後ろに反らすけど、当然見えるわけもなく…。
鏡に背中を映すと…。
あ？
んなもんねぇけど？
和「ククク、引っかかった。」
あ？！鏡を見てた視線を四人に戻す。
智「心当たりがあんだね？松潤？」
翔「松潤？言い忘れてたけど、俺、昨日の段階で三人にメール送ってるから。」
「はっ？！」
雅「隠すなんて水くさいじゃん？」
「いや…隠してはない…。」
和「時間はたっぷりありますんで、じっくり聞きましょうかね？」
「…はいはい。」
コイツらには世話んなったし…しょうがない。
智「うん。詳しく教えて？昨日の二人の熱い夜の事…何回頑張った？とか…さ？」
へにゃって笑うリーダー。
「バッ、バカか！！」
雅「ホント最近エロオヤジ。」
翔「はいはい、冗談はさておき着替え済ませて聞きましょうか？」
翔くんが手を叩き場を沈める。
智「え〜…オイラそっちのが興味あるんだけど。」
唇を尖らしながらボソボソ言って着替えの続きを済ませた。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年10月21日 11時
