１６４：どっかのゲーマー ページ4
今日も潤くん観察。
ふふ…ちょっと口が開いてて…可愛い。
ねぇ…潤くん？
私は潤くんが好きで、潤くんも私を思ってくれていて。
きっと…それだけでいいんだよね？
私も潤くんと大河以外の男の人を知ってるし、もちろん初めては大河じゃない。
お互い様だ。
ジッと見つめてた潤くんの眉間にシワが寄る。
「ふふ。穴空いちゃった？」
「あぁ。どう治してくれるんだ？」
目を瞑ったままの潤くんがそう言って。
チュッとおはようのキスをすると、ゆっくり持ち上がる瞼。
「おはよ。」
「おはよ…A。」
今度は潤くんからのおはようのキスをもらい。
ね？これだけで十分幸せ。
潤くんからの気持ちは十分伝わってくる。
「潤くん？今日は？」
「ん？休み。」
「え？ホント？」
「あぁ。今日は一日中Aと一緒だ。ついでに明日も夕方から。」
「嬉しい〜。」
思わずギュ〜ッと潤くんに抱きつく。
今まで休みが合った事なんて数える程しかなくて。
土曜日にココで一人で暇潰すのも…なかなか大変で。
「ね？何する？」
「Aは何したいの？」
「ん〜…これといって思い浮かばないなぁ。」
「ごめんな？せっかくの土曜日にどこへも連れてってやれなくて。」
眉を下げて本当に申し訳なさそうに言うから、
「ううん。一緒にいられるだけでいいよ？」
って返すと、今度は目まで悲しそうで。
「潤くん？本当よ？一緒にいられる場所と時間があれば満足よ？私にとってそれが一番大事。」
「…どっかのゲーマーのパクリか？」
『ん？』ってする私を『フッ』と優しく笑って、額にチュッとキスを落とす。
「どっかのゲーマーがな？そんな歌詞の歌を歌ってるだ。」
「ふ〜ん。」
「はは。興味無さげだな。」
「ん？そうでもないよ？」
「後で聞かせてやるよ。」
「うん。」
潤くんと一緒に過ごせる休日が嬉しくて、笑って頷くと、潤くんも優しく微笑んでくれて。
「…かわい。」
ってチュッてしてくれる。
「あ、そういえばさ？俺、来月パリ行くんだ。」
「え？そうなの？すごいね！」
「リーダーとね？」
「…そぅ。」
あれ以来大野さんが苦手っていうか…。
どこに本心があるかわからない人だから余計に。
「大丈夫。もうあんな事にはならないよ？約束させたし。」
「うん。」
「只今絶賛彼女募集中だそうだ。」
「直ぐできるでしょ？」
「俺ら…そんなにモテねぇぞ？実際、お前は俺を突っぱねただろ？『迷惑だって』」
そうだけどさ…。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年10月21日 11時
