今日…僕は恋をした Part.５ (ページ30)

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「なぁ…どこ行ってたんだ？」

潤くんが淹れてくれたコーヒーのマグカップを両手で持ってる私の腰には、しっかり潤くんの腕が回ってて。

「このカップ可愛い。」

ピンクと赤のハートが散りばめられていて。

「…なぁ、俺の話し聞いてる？」

呆れた声を出す潤くんを上目で見上げる。

「これどうしたの？潤くんが買ったの？」

「あぁ。お前専用だ。それより俺の質問に答えて。」

「ん？」

『質問』って？

「お前…マジで聞いてなかたんか。」

大袈裟にため息をついた潤くんが私を恨めしそうな目で見る。

「ん？ごめんね？」

『しょうがない』って顔をした潤くんが頭をポンとした。

「お前、どこに隠れてたんだ？俺、マジ必死で探したんだけど見つからなくて。」

「…ニューヨーク。」

私がそう一言言うと目を見開き、ジッと私を見たかと思ったら、またため息…。

「…見つかんねぇはずだ…。」

「仕事で行ってたの。急に決まって…。」

「ちょっと待て！お前退職したんじゃねぇのか？」

「…明日美が来るかもって。だから来たらそう言ってって頼んどいたの。静香ちゃんにもまどかにも…。」

「…お前…そこまで…。」

呆れたのか、びっくりしたのか口を少し開けて固まってる。

「今日、帰国したんだけど…。ちょうどね？今月いっぱいで部屋の更新だったし、それまでホテルで過ごして、引越ししようかと…。」

「…んだよ…マジで翔くんに感謝じゃん。あの部屋がそのままの限りは大丈夫だってずっと思ってて…。あぁ～マジで手遅れになんなくてよかった。」

大きくため息をついて私の肩に額を乗せた。

「ごめんね？」

「…。」

「私ね…本当にもう大事な人を失うのが怖くて…。いずれ潤くんとも…って考えたら今自分からのが傷は少ないって…。それに…少しでも疑った自分がイヤで…許せなくて…。」

腰に回された腕に力を入れられて潤くんに引き寄せられる。

「…結局…逃げてばっかりの私を潤くんに見せたくなかったの…。」

「…なぁ…お前さ…？」

私の身体にくっついてる唇から聞こえる声は、少し曇って聞こえる。

「…うん？」

「俺はずっと言ってただろうが。『どんなお前でも好き』だって。」

「…うん。」

「どんなって事は…いいとこだけじゃない。そういう部分も全部ひっくるめてって事なんだよ。」

「ん。」

「だから…どんなお前でも俺はちゃんと逃げずに受け止めるから…お前も…もう逃げんな。」

顔を上げて私の目をジッ真っ直ぐ見て言った。