今日…僕は恋をした Part.４ (ページ7)

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１２７：キャンドルページ7

抱き寄せられた潤くんの胸からは、大好きな潤くんの香りと、薔薇の香り…。

「A…ケーキの火、消そうか？」

「うん。」

潤くんから離れて、私の好きなフルーツケーキの上の『２』と『９』の数字のキャンドルを見つめる。

「可愛い…。」

「さすがに２９本立てるのは色気ねぇし…。迷ってたらケーキ屋にこれがあってさ。」

「ふふ。買うの恥ずかしくなかった？」

「まぁ…少しな。けど、一応それなりの格好だったらから…。」

バレない様にするのも大変なんだろうな。

「A…ケーキに蝋が垂れるから、とりあえず消して？」

「うん。」

キャンドルを吹き消すと、また抱き寄せられて頭を撫でながら『おめでとう』って耳元で囁く。

「…やっぱり当日に言いたかった。」

「ううん。十分よ？潤くんの気持ちは十分過ぎる程伝わってる。」

「何で俺…あんなに呑んだんだろ？」

私に謝ってくれた日も、そればっかり言ってた潤くん。

「お友達とのお付き合いも大切にしなきゃね？」

多分…そうさせたのは私だと思うから。
私との時間を作る為に、お友達とのお付き合いはお断りしてたんだと思う。

久しぶりのお友達との呑み会でテンション上がっちゃったんじゃないかな？

「…なぁ…？」

「うん？」

「時間の都合のつく日…例えば仕事が次の日休みの金曜とか土曜…。」

「うん。」

「そん時だけでいいからさ？その日に呑み会をやる事あったら…一緒に行ってくんない？」

「え？！」

私の額に頬をくっつけて頬ずりしながら『なぁ…いいだろ？』っておねだり…。

「場違いだからイヤ。」

「んなら俺も行かない。」

「もぉ～子供じゃないんだから。」

「…なぁ～A…お願い。」

…はー、もぉ…しょうがない…。

「…都合がついた時だけよ？」

そうため息混じりに言った私からパッと離れて、目を細めて嬉しそうに笑った潤くん。

「やった！ありがと。もぉ～Aちゃん大好き。」

チュッてキスを落として、ギュ～って抱きしめられる。

『Aちゃん』って…。
初めて呼ばれた…。

「ちょっと！潤くん！お花潰れちゃう！」

「あぁ！ごめん！嬉しくてつい…。」

身体を離した潤くんは本当に嬉しそうに笑ってる。

「そんなに嬉しいの？」

「あぁ。さすがに仕事関係は無理だけど、友達なら大丈夫だし…彼女連れて来てるヤツが、ちょっと羨ましかったり…な？」

「…そっか。」

頷いた潤くんは、『飯にしよ』って言って私の頬にチュッとすると立ち上がった。