１５１：消毒 ページ32
家に着いてお風呂の準備をしていると、『A？』って声。
「お風呂。」
洗面所のドアからヒョコッと顔を出す。
「お風呂入るでしょ？」
「あぁ…一緒に入る。」
「うん。」
お風呂の準備をして、部屋に戻るとテレビを見つめている潤くん。
視線の先には…女優さん？
「潤くん？」
「ん？」
パッと顔を上げる。
「知り合い？」
「あぁ…まぁな。そんな事より、早くおいで？」
優しく微笑み手を広げて私を呼ぶ。
隣に座ると、ギュッて潤くんの腕の中。
頬を撫でながら、額コツンとあわせて。
「リーダーにどこ触られたの？」
「ん？いきなりどうしたの？」
「他の男の感触を覚えさせときたくねぇの。」
「…耳…と…頬。」
「…チッ。」
舌打ちした…。
…明らかに不機嫌。
「…潤くん？」
「もう二度と無いと思うけど、次あったら遠慮なく殴っていいからな。股間思いっきり蹴ってやれ。」
「…。」
ちょっと…それは…。
「気を使わせてごめんな。ありがとう。」
「ううん。」
「…んじゃ、消毒しよ。」
潤くんの優しいキスが
首筋…耳…頬… 唇に落ちてくる。
「Aは…これからもずっと…俺以外の男の感触は知らなくていいんだ。」
そう言いながら首筋に顔を埋めた潤くんは、
「Aの匂い…。」
って大きく深呼吸してる。
「イヤ！潤くん！お風呂入ってないから！」
「それがいいんじゃん。」
「…やっぱり変態…。明日美に教えてあげよ。『松潤は変態だからファンやめな』って。」
「おい、コラ。」
「ふふふ。ね？お風呂入ろう？」
「…。」
いじけた？拗ねた？
首筋に顔を埋めたまま黙ってる潤くん。
「潤くん？いい匂いの入浴剤買ったの。どうせならいい匂いの私のがいいでしょ？」
そう言いながら、腕をポンポンっとすると、バッと顔を上げて、私の顔をジッと見たと思ったら…ニヤッて笑う。
「お前から誘ったんだからな？覚悟はできてるって事か…。んじゃ、遠慮はいらねぇな。」
宙に浮く私の身体。
「え？！潤くん？私、明日も仕事なんだけど！」
「心配すんな。俺もだよ。」
「え？え？！」
「大丈夫。仕事行ける程度には抑えるからさ。」
「そういう問題？」
「んで？いい匂いの入浴剤ってどれ？」
洗面所に下ろされて…。
観念して、私にしてはちょっと奮発した入浴剤を潤くんに差し出した。
ボトルの蓋を開けて鼻に近づけ、
「あ、マジいい匂い。俺も好きかも。うちにも置いとけよ。」
満足そうに笑った。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年10月5日 16時
