１４７：どこでもドア ページ27
「んふふ。弱点めぇ〜っけ。」
新しい遊びを見つけたが如く、楽しそうに言う大野さん。
もう…本当にどうしよう？
どうしたらい？
「あ、あの！」
「ん？大丈夫だよぉ。松潤よりも満足させてあげる。」
「ち、ち違くて！」
え〜っと？どう言うのが正解？
もぉ〜助けて…。
…潤くん…
助けて…よ…。
「あ〜ぁ、おっさん泣かせた〜。マジでJに殺されるな。」
「んふふ。やり過ぎた？」
「確実に。」
ひどい！ひどすぎる！
からかって遊んでただけなんて…。
私がどんな気持ちで…。
「ちょっと！Aさん？マジ泣きしなくても。おい！おっさん！」
「ごめんよ？あ〜そんなに泣かないで？ね？もうしないから。」
焦る二人…。
まどかは『そんな事で泣くなって』表情。
でもね？
やっぱり潤くんの大切な人だからこそ、どうしたらいいのか…どれが正解なのかわからなくて。
明日美は複雑そうな顔…。
きっと…私の気持ちを汲んでくれてる。
焦る二人を尻目に涙は一向に治まる気配は無くて…。
タイミング良く鳴る私の携帯。
この時間の着信は画面を見なくてもわかる。
「Aさん！ちょっと待って！今出たら…『…はぃ』」
大丈夫。
上手くやるから。
それにこの時間で出ない方のが怪しまれて、出るまでずっとかかってくるってわかってる。
ー…どうした？何で泣いてる？
…甘かった…。
「…ほ、本をね…？潤くんに借りた『お前は友達と呑んでて本を読むのか？』
あ、そうだ！
明日美とここに来るってメールしたんだ。
目の前で二宮さんがため息をつき、諦めた表情で『貸して？』と手を差し出した。
『ちょっと待って？』と潤くんに告げて二宮さんに携帯を渡す。
「もしもし？J？ニノちゃん。…ちょっとね…おっさんがイジメ過ぎ『おい！ニノ！』」
大野さんが焦った声を出したと思ったら『切られました』って携帯を私に差し出した。
「和也…？」
恐る恐る明日美が声をかける。
「帰るか、おっさん。殺される。」
「んだね？」
「無駄でしょ？」
まどかが指差した先には潤くん。
まどか以外の私達はただただびっくり。
「J？もしかして、どこでもドア持ってる？」
「あ？お前…今の状況でよく、んな冗談言えんな。」
目つきも、声も別人の様に鋭い。
こ、怖い…。
こんな潤くん見た事ない。
「潤？ケンカなら外でやれよ？」
「あぁ。外行くか？リーダー。」
「いいけど、オイラだけ？」
「ニノは後で。逃げんなよ？」
二宮さんを睨んだ。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年10月5日 16時
