１４５：男って… ページ25
昼休みの余った時間に読もうと思った本は、まどか達と話してた為に結局読めず…。
あまり活字が得意ではない私は、一日に読んでもせいぜい２、３０ページ。
だから…読み始めて５日は経ってるのに、まだ１００ページくらいをうろついてる。
『潤くん？この本借りていい？』
『…あぁ。』
『潤くんが、こんな恋愛小説読むなんて意外ね？』
『…やっぱりな…。』
『フー』ってため息を吐いた潤くん。
『ん？潤くん？』
『…何でもねぇ。いいよ、それ持ってって。』
複雑そうな顔の潤くんはやっぱりため息混じりにそう言った。
あの時の潤くんの表情のわけを…あぁ…そういう事だったんだって、幸恵ちゃんのお陰で気づいて。
私が知ってると思ってたんだ。
嵐の自分も興味を持ってくれて嬉しい反面、ラブストーリーで私が妬くと…？
普通はどうなんだろう？
だって仕事だしね？
でも…やっぱり少しくらい妬いて欲しいの…かな？
「…て事なんだけど。どう思う明日美？」
「あの男なら、妬いてもらいたいに決まってるじゃない。」
「まどかに聞いてない！」
『こわっ』って呟きタバコに火をつけた。
「てかね？ヤキモチどうこうの前に、もうちょっと松潤に興味持ってあげたら？」
「興味…ないわけじゃないけど…。」
とりわけあるわけでもない。
「まぁ…テレビでの言動にいちいち一喜一憂してたら身が持たないって言うか…。」
「でしょ？仕事は仕事だし…。」
「そうやって、いいコで割り切られるのも面白くないのよ。男ってバカで単純だから。」
どっちが怖いのよ…まどかさん？
「すっげぇ事言われてますよ？おっさん？」
「んふふ。ね？」
え？！
パッと後ろを振り返ると、二宮さんと大野さん。
思わず明日美の方を向くと気まずそうに視線をずらした。
別にさ？
怒ってはないけど…一言あってもよくない？
「あら、アイドルさんいらっしゃい。今日はお二人？」
まどかが声をかける。
「はい。今日は二人で写真撮影でした。」
明日美の隣に当たり前の様に座る二宮さん。
「オイラ、Aちゃんの隣〜。今日は怖い彼氏いないから思う存分ちゅぅできるね？」
って私の隣に椅子を持ってきてピッタリくっつかれたと思ったら、顔を覗き込まれてそう言われた。
「ん〜…彼の名前何だっけ？君は二宮くん。それは覚えてる。」
人差し指を頭にトントンしながら考えてるまどか。
「まどか…大野さん。」
「あぁ！君が幸恵の『大ちゃん』」
この間もそう言ってたよね？
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年10月5日 16時
