今日…僕は恋をした Part.４ (ページ17)

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１３７：多くの幸せ～J～ページ17

シャワーから出て、上半身裸で濡れてる頭をワシャワシャとタオルで拭きながら向かったのは寝室で。

Aが起きてるかも…なんて少し、ほんの少し期待したけど、寝室のドアを開けて見えたベットにはこんもり盛り上がる布団。

ベットに近づくと聞こえる、規則正しい寝息。

ベットを覗き込むと右半身を下にして、身を縮こめる様にして寝ているA。

布団が冷たかったのか？

頭をひと撫でして、額にチュッとキスを落とす。

キッチンに向かい冷蔵庫から水を取り出し、ソファに足を進めると、視界に入る文庫本。

Aは何を読んでたんだ？

それを拾い上げると…。

…。

…知ってたのか？

Aは、アイドル…嵐…芸能人の俺に興味が無い。

ちゃんと俺は俺って思ってくれてるのは嬉しいけど、ちょっとは興味を持って欲しい我儘な俺。

これを読んで、あからさまに妬いてもらっても、実際の所困るし、仕事だからどうしようもない。

けど…けど…全く妬いてもらえないのも…少し寂しい。

我儘だ…完璧、俺の我儘。
俺…マジでどうかしてる。

はぁーっとため息をつき、洗面所に戻り髪を乾かした。

鏡に映るセットもされてないぺちゃんこな俺の髪。

幼くなるからイヤだと言う俺に、

『可愛いくて好きよ？』

って笑って言うA。
Aがそう言ってくれるならいいかなって、少なからず思う俺。

洗面所から荷物を持って、寝室に向かいベットに入ると、俺の寝た方はまだ冷たくて。

温かさを求めてAの寝ている方に、擦り寄って腕の中に収めた。

「…あったけ。」

思わずそう漏らしてしまう程の温かさ…安心感。

いつもの様に額に唇をくっつけると、微かに香るAの香り…。

腕に感じる心地よい重みと柔らかさ…。

…あぁ…俺…幸せ…。

やっぱ毎日、この幸せ味わいたい。

俺…そんなに多くの幸せなんて望んでない…。
ただ、毎日…当たり前にこうやって一緒に眠れるだけでいい。

３０近くの普通のカップルなら、そんなに苦労しなくてもそれが叶えられたかもしれない。

けど…今の俺には…やっぱ簡単じゃねぇよな。
でも、諦められない。
俺も譲れない。

『おやすみ』額に唇をくっつけたまま囁いた。