１３３：じゃれ合い 〜J〜 ページ13
二人でひとつのシャワーをじゃれ合いながら浴びる。
洗ってやってるAの髪を無意味に泡立てて、その泡を身体に塗りたくる。
「もぉ！泡が目に入る！」
「んじゃ、お湯かけてやる。」
シャワーをAの顔に真っ正面から当てる。
「ん？！ちょ、ちょっと！潤くん？！」
「ククク。」
３０近いいい大人が…。
はたから見ればただのバカップルかもしれないけど、俺にはこういう時間が大事で癒し。
「もぉ！意地悪！」
「ククク。」
「笑い過ぎ！」
「だってさ？お前…すげぇ可愛いんだもん。」
「そんな事じゃ誤魔化されない。」
「ふ〜ん。」
んじゃ…これは？
シャワーをスタンドに戻して、Aを引き寄せ唇を重ねた。
シャワーに打たれながらのキスは…泡の味がしてちょっと色気がない。
「誤魔化された？」
「ふふ。うん…もう一回？」
柔らかく微笑むAに、胸がキュ〜ッとなって…息苦しささえ覚える。
いつか…Aは俺を殺すんじゃないかって。
でも、Aにならいいやって思う俺は…やっぱり何処かおかしいのかもしれない。
「…喜んで。」
ゆっくりと唇を重ねた。
・・・「潤くん、ここでいいよ？ありがと。」
会社と駅との道の反対側に車を停めた。
ここだって人通りがないわけじゃないけど、駅から会社に向かう人の波よりは少ない。
「…なぁ…明日…さ？俺、遅いんだけど…『うん。待ってるね？』」
俺の言いたい事がわかったのか、Aから先に言ってくれた。
寝顔のAでもいいから会いたい。
抱きしめて眠りたい…。
「先に寝ててくれて構わないから。」
「うん。潤くんの匂いに包まれて眠ろ。きっと熟睡だよ？」
『ふふふ』って笑うAは、帰宅が遅いのに泊まらせる俺が気を使うと思ってそう言ってくれたんだと思う。
けど…さ？
「…A…そういう事は家で言って？」
「うん？」
「そういう可愛い事は家で言って？今、言われても…キスできねぇし。」
「…そんな事ばっかり。」
呆れたAが時計に目を移した。
「そろそろ行くね？ありがと。撮影頑張って？」
「…あぁ。」
ふんわり柔らかく微笑んで車から降りて行ったAを見えなくなるまで見送って、小さなため息をひとつつき車を発進させた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 404人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおなな
| 作成日時：2013年10月5日 16時
