今日…僕は恋をした Part.４ (ページ1)

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１２１：独占欲～J～ページ1

迎えに行くっつたって、会社のまん前に車を横付けするわけもいかず…。

おそらくは通るであろう道に路駐して、Aを待つ事にした。

すれ違ったらシャレになんないけど、ニノの彼女がメールを入れといてくれるって言ってたから、仕事が終われば電話がかかってくる…はず…。

あぁ～も～マジで…。

何で解除させなかった？
何でAはそのまま？

ハンドルに額をくっつけて項垂れた。

…約１週間ぶりにAを感じられて舞い上がってた俺。
自分の腕の中にAがいる事で安心しきってた俺。

『あんた…ホントどんだけよ？』

折返しの電話もらった時に呆れた様に言ったニノ。

『どんだけ…って。俺はただAを離したくないだけ。』

『ちょっとは信じてやったら？』

『信じてる。けど…不安なんだよ…怖えぇんだよ。』

俺の腕の中からAがいなくなる…。
俺じゃない男に抱かれる…。
考えたくもねぇ。

『自分でも怖いくらいの独占欲だって認識してるよ。俺はAを誰にもやんねぇ…絶対にな。』

『…気をつけて。』

その一言だけ言った静かにニノは電話を切った。

車の時計は既に１７時を過ぎた。

そろそろ…か…？

携帯片手にルームミラーとバックミラーを交互に見ながらAを探す。

Aの会社ある通りからサラリーマン風やOLっぽい人達が出て来て、ここでよかったと安堵した。

ハットを深く被りなおし、サングラスをかけた自分をミラーでチェックする。

まさかこんな場所の芸能人がいるとは誰も思ってないだろう…意外と見つからないモノだ。
けど、用心に越した事はない。

…おせぇ…。
もう１７時半過ぎだ…。

通りから出て来ていた人も疎らになってきてポツポツしかいない。

残業…？
俺の見落とし？

けどな…ニノの彼女もメールしてくれるって言ってたし…。

段々と不安になってきた…。

いや…でも大丈夫だ。
Aを信じよう。

きっと俺のトコに帰って来てくれる。
…大丈夫、大丈夫。

Aを好きになればなる程、それに比例して不安も、独占欲も増えていく。

けど、Aを好きな気持ちを抑えるなんて到底無理で、俺は結局それを受け入れるしかできないんだ。

ため息をつき、チラッとバックミラーを見るとAが見えて…。

安堵のため息をついて、ドアを開けようと手を掛けた時…隣に…スーツ姿男…。

その瞬間、自分の立場も考えず外に飛び出していた。