今日…僕は恋をした (ページ9)

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８：ハニーちゃん～J～ページ9

あれから…もう２週間。

会う事が無ければ自然に忘れるって思ってた。
もう会う事もないだろうって。

そもそも物事には慎重な俺が、一番気を張ってる恋愛ゴトで一目惚れなんてするはず無いって思ってた。

…なのに……。

寝る前に目を閉じると、瞼の裏にはAさんの笑顔…。

耳の奥には声…。

そして…頭の片隅には薬指の指輪。

それらを思い出す度に胸が締め付けられて。

和「J？J？！…潤くん？！」

ニノに肩を揺すられハッとする。

「え？！あっ？…何？」

和「……いや。やっぱいいです。」

チラッと俺を見ただけで、視線をずらしそう言った。

きっとニノは気付いてる。
けど、見て見ぬフリをしてくれてんだと思う。

俺が相手にならないと思ったのか、ゲーム機を手に持ったまま、携帯を弄ってる相葉くんの膝の上に座ってじゃれてる。

雅「ニノ！重い！」

和「軽いでしょうよ？」

雅「俺のが全然背が高いけど、体重はニノのが絶対重い！特にこの腹！」

ニノの腹を面白そうにポンポン叩いてる。

智「ニノ？そのお腹枕にしたら気持ちよさそう。」

畳に寝転ぶ自分の隣をバンバンと叩いて、『こっちに来い』と催促するリーダー。

和「イヤです。何で男にそんな事しなきゃならないんですか。」

智「いいじゃんかぁ。」

翔「智くん？俺はどう？」

なんて翔くんも乗っかって。

智「翔くんのは硬いからイヤ。気持ちくない。」

雅「んじゃぁ、やっぱニノ！それか女の子だよリーダー？」

そういう方面が一切謎なリーダーに、こういう風にメンバーが代わる代わる突っ込んだりしてみせるけど…。

智「オイラはニノがいい！」

って…絶対言わない。

翔「あ？！そう言えば松潤ってニノのハニーちゃんに会ったんでしょ？」

翔くんが俺を振り返り興味津々の目で聞いてくる。

「…あぁ。」

雅「どうどう？可愛いかった？」

「…あぁ。」

…もう思い出さない様にしてるんだ。
きっとそれがいい。
ううん、そうするより他にないんだ。

彼女は…Aさんは人のモンだ。

だから…頼むから…俺にそれ以上聞かないで。
今、今ならまだ…引き返せる。

引き返してみせるから…お願いそっとしておいてくれ…。

雅「ね？どんなコ？」

いつの間にか俺の目の前にいた相葉くんが、キラキラした目で俺を覗き込む。

「…。」

雅「松潤？」

あぁ…ダメだ…。

雅「…松潤？」

「…ごめん。」

口から出たのは小さな掠れた声で。
席を立ち楽屋を出た。