３８：愛しの 〜J〜 ページ39
東京公演最終日とあって、スタッフと軽い打ち上げに来た。
翔「松潤？」
俺の隣でウイスキーを呑む翔くんが突拍子もなく、
翔「いや〜…想像以上にお綺麗な方で。」
そう言った。
「ん？Aの事？」
翔「他に誰がいんの？」
『フフ』って笑いながら酒を煽る。
「まぁ…惚気かもしんないけどAは綺麗だし、所々可愛い。」
翔「あんだけ綺麗で『そんな事ない』なんて謙遜されても、かえって嫌味っぽい。」
やっぱり笑いながら言った翔くんが、
翔「今度は一番大事な物…見失うなよ。」
ってグラスを傾けてボソっと言った。
それには黙って頷くだけの俺を兄貴の様な優しい目で見て、満足そうに笑った。
そんなしんみりムードの中、
雅「まっつじゅ〜ん！」
空気読めない天然男が俺に抱きついてくる。
酒が入ってるから、いつもよりテンション高い…。
「んだよ。」
雅「んね！皆、Aちゃんに興味津々みたいだよ？」
部屋にはコイツのデカイ声が響き…一斉に俺に集まる視線。
「お…おま、声でけぇ。しかも…『Aちゃん』って…。」
雅「AちゃんはAちゃんでしょ？」
キョトンと俺を見る。
「いや…まぁそうだけど。」
智「まぁ…あんだけ美人さんならしょうがないよね？Aちゃん。」
あんたまで…。
智「オイラも何人かに誰か聞かれた。」
「はっ？！」
何で？誰に？
俺の顔に出てたのか…。
和「今日三人で歩いてたんですが…野郎の視線はAさんってのがよくわかる。Jと付き合ってから雰囲気も柔らかくなったし。」
いつも間にかニノも背後にいて。
雅「んでね？俺は『松潤の愛しのハニーちゃん』って教えてあげてんの。」
智「オイラも！」
んな…子供じゃねぇんだから威張って言わなくても…。
相葉くんの顔は『偉い？褒めて？』って言ってて。
「てか…俺には聞かれないのは…何で？」
雅「ん〜…俺が殆どに言いふらしたからじゃん？」
「…。」
翔「ククク。」
「翔くん！笑い事じゃねぇし！こうなんのイヤだったから会わせたくなかったんだよ！」
叫ぶ俺に、
雅「松潤？Aちゃんお家着いたって。」
って言われ、翔くんから視線を相葉くんにパッと向けると、俺の携帯を弄ってる。
「んだよ！勝手に！返せ！」
相葉くんから携帯をひったくる。
「もぉ〜何なの？あんた達…。」
立てた膝に額を乗せてガックリうなだれる。
翔「皆ね？松潤の幸せが嬉しいんだよ。」
あぁ…翔くんだけはまともでよかった。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年7月22日 13時
