２９：恋する松潤 〜J〜 ページ30
おかしい…。
Aさんからメールが途絶えた。
俺が一方的に送ってる状態。
もう３日…返信がない。
コンサートの打ち合わせ、リハーサルが佳境で終わる時間は深夜２、３時。
翌日仕事のAさんに、そんな時間に電話できる訳もなく…。
たまたま早く終わった３日前の夜…会いに行こうと思ったのに…急遽、スタッフとの呑み会が決まり、断る訳もいかず…。
思えば、付き合い始めた次の日の朝から会ってもないし…声も聞いてない。
もういい加減…俺も限界。
Aさんに会いたい。
抱きしめたい…。
けど…メールが…。
俺とAさんを繋いでたのはメールだけだったと思い知って。
そんな脆いモノでしか繋がってなかったんだって…すっげぇ怖くなって。
やっとの思いで手に入れたと思ってたAさんは、実はそう思ってたのは俺だけだった？なんて怖くなって…。
返信が来ない携帯を握り締める。
智「松潤？そろそろ…。」
後ろからリーダーに声をかけられて、ハッとして携帯をバックに押し込んだ。
「…あぁ。」
智「んふふ。彼女が恋しくなっちゃった？」
「あぁ。」
智「おっ、珍しく素直じゃん。オイラびっくり。」
「嘘つく事でもねぇし…マジで会いてぇ。」
歩きながら頭をガシガシする。
雅「恋する松潤…い〜ねぇ。」
翔「うん。可愛い。」
和「てかね？J？」
いつの間にか３人も後ろにいて。
「んだよ？」
和「あんた、ほっとき過ぎ。」
「あ？」
和「Aさん、うちのコに不安漏らしてたらしいよ？」
「…え？」
思わぬニノの発言に、その場に立ち止まる。
和「Jが思ってるよりずっと…AさんもJの事好きなんじゃない？」
「…。」
俺ばっかりが好きで、俺がお願いして付き合ってもらってるって思ってた。
Aさんからの『好き』なんてメールですらもらった事もなくて。
いや…嫌われてるなんて思ってはないけど、俺には大河さんは越えられないって思ってたから。
智「んふふ。相葉ちゃん？頼むよ？」
雅「え？！俺だけ？翔ちゃんもじゃん！」
翔「俺は今回は完璧…な…はず！」
そんな事を言いながら３人が歩き出す。
智「オイラの振りむっずかしぃぞぉ。」
雅「翔ちゃん！頑張ろう！」
翔「おう！うちの末っ子フラれちゃったら大変だしね。」
雅「そうだよ！また反抗期だよ。」
智「それは勘弁だ。」
…好き放題言いやがって。
和「Jの気持ち…ちゃんと伝えてきなよ。」
ニノが俺の肩をポンポンと叩いた。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年7月22日 13時
