今日…僕は恋をした (ページ24)

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２３：そっちの世界ページ24

ねぇ…大河？

そっちの世界にいるあなたからは、私がどう映ってる？

目を瞑って大河を思うけど、最近は悲しそうな顔ばっかりするのね？

私が４年前と同じ場所から動けない事を大河は怒ってるの？

でも、簡単に私を置いてった大河には私を怒る権利なんてないんだからね？

・・毎日毎日、同じ事の繰り返し。

心の中、頭の中の大河に話しかけても返事なんてもらえる訳もなく…。

「大河…私…どうしたらいい？」

口に出してもやっぱり答えなんてもらえない。

目を瞑ると必ず出てきてくれた大河も最近は怒ってるのか、出てきてくれず…代わりに松本くんの真っ直ぐ私を見る目が私を見つめてる。

松本くんの私への感情は、偶然あの店で会った時に気付いた。

けど、私には大河がいるって思って見て見ぬフリをした。

そんな私の思いなんて、知ってか知らずか、相変わらず真っ直ぐ偽りの無い目で私を見る。

それどころか、その目には愛おしさも含まれていて。

大河との事もあるけど、男性との付き合いや、誘いの類が面倒くさくて、ずっと外してなかった指輪。

自分の外見はそれなりに自覚しているつもりだし、それを嵌めてれば男性は深追いをして来なかった。

けど…松本くんは、本当に真っ直ぐの目と感情を私向ける。

その、あまりに純真な目と感情から逃げ出す様に『迷惑』だと先手を打った。

自分でもサイテーな女だと思う。
告白された訳でもないのに…自惚れもいい所。

ため息をつきベットから起き上がると同時に鳴ったインターホン。

重たい足を引きずりながらモニターを覗き込むと…

「…嘘。」

ハットを被った松本くん。
モニターの荒い画像でも、そうだとハッキリわかるのは芸能人…アイドルのオーラなのか…。

私が画面を見たまま固まっていると、もう一度押されたボタン。

ここまで来たという事は…明日美か…。

私が明日美と以外滅多に外出しないってわかってる明日美。

居留守は無理か…。

もう一度ため息をつき通話ボタンを押して、オートロックを解除した。