２：末っ子〜J〜 ページ3
結局こうだ…。
末っ子コンビだ、末ズだ言われても、俺はニノには勝てない。
…いや、嵐全員にだ！
所詮、俺は嵐で末っ子。
「行ってやんなよ〜。数年ぶりにニノに彼女できたんだから。」
ってなんだかんだで絶対逆らえないリーダーに言われ。
「松潤？たまにははっちゃけるのもいいじゃん？」
って翔くんに言われ。
「俺の代わりに、ニノの面倒頼む。」
って相葉くんに言われ…。
てか、あんたはニノに面倒見てもらってる立場じゃん！
俺は嵐が何年経とうが、ずっと末っ子で…。
キャラ変しようが、どんなにイキがろうが、嵐の中ではずっとずっと、そんな扱い。
「クク。そんな不機嫌な顔しなくても。」
タクシーの中でやっぱり面白そうに言うニノ。
「何で俺が…。」
「そんな堅く考えずに。」
「お前は軽く考え過ぎだ。」
「酷い言われようね？ニノちゃんも本気になる事あんのよ？」
「知らねぇよ。んな事。」
吐き捨てる様に言った俺に、やっぱりニヤリと笑うニノ。
「Jは堅過ぎるのよ。もっと気楽に恋したら？」
って…。
気楽にしたらそれは本気の恋じゃねぇだろ？
「大体、Jってずっと彼女どころかそういう女もいないよね？男の処理どうしてんの？」
「・・・。」
無言の俺の睨みを、得意のポーカーフェースで躱して、
「Jが睨むと迫力あるよなぁ。」
なんて言って笑ってる。
「ねぇ？もうさ？いいんじゃない？」
「…何がだよ。」
ニノの声が真剣になって、俺も真剣に返す。
『何が』なんて言わなくても、ニノが言いたい事はわかってる。
「もうさ？進んでもいいんじゃない？」
「…あぁ。」
んな事わかってる。
俺だけだ…。
多分…５人が５人事務所関係で別れた。
と、言うより別れさせられた。
それからというもの、ニノは遊びに走り…。
相葉くんは内緒で付き合い…。
翔くんは事務所に直談判して、許可をもらい…最終的には別れたけど。
リーダーは…？？
よくわからない…。
んで、俺は事務所の言いなりになって別れた。
俺は俺なりに真剣だったのに…。
俺も翔くんみたいに直談判する勇気と根性があれば…なんて後悔しても遅い。
俺が将来を夢見て、将来を誓った彼女はもう他の男モノ。
子供も授かり、幸せに暮らしてるらしいと人づてに聞いた。
引きずってるわけではないけど、それからというもの、恋や結婚に夢や希望を持たなくなった。
仕事…嵐の一員である為に全て切り捨てた。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年7月22日 13時
