１７：奇跡よ起きろ 〜ニノ〜 ページ18
雅「ニノ〜。」
Jと入れ替わって入った楽屋。
そんな『助けて〜』って声を出してももう遅いですよ。
「んとに…空気読んで突っ込みなさいよ。」
翔「やっぱ、やり過ぎた？」
「ええ。かなり。それじゃなくても、Jにとって色恋沙汰はデリケートな問題なのに…。」
あんた達もわかってんでしょうよ。
まぁ…皆のいる所で聞いた俺も悪いんだけどさ。
智「…ねぇ…ニノ？何かあんの？」
「ん？」
智「ただ、好きな相手できただけじゃないでしょ？」
んとに鋭いねぇ。
「…俺からは言えません。」
智「…何で？」
「Jが『自分で頑張りたい』って…。だからもう少し待ちましょう。ね？」
おっさんは、尖らしてる下唇を指で摘まんで、頷いてはいるけど納得はしてない様で。
雅「奇跡起きるといいなぁ。」
って遠い目をして相葉さんが呟いた。
・・・「和也？」
「ん〜？」
「何かあったの？」
俺の胸に擦り寄る明日美。
「ん〜？何で？」
「今日、いつもとちょっと…。」
「なになに〜？いつもと抱き方違うって？」
「もう//またそうやって！」
焦る明日美が可愛いくて、クスクス笑いながら抱き寄せる。
「なぁ…Aさんって…。」
「うん？」
「…やっぱいいや。」
Jは『自分で頑張りたい』って言ってた。
俺がここでお節介やいたら、Jの気持ちを踏みにじる事になる。
「Aねぇ…。」
「聞こえてんじゃねぇか。」
「あのコ…色々難しいよ？」
「うん？」
「ふふ。憧れの道明寺さんに協力してあげたいのはヤマヤマだけど。」
…って気付いてんじゃん。
髪を撫でてやると、明日美も俺の背中を撫でる。
「…いつ？」
「ん？そんなの初めて会った時。」
「まぁそうだろうけど。」
「和也から見て松潤ってどんな人？」
「どんな…すっげぇ真っ直ぐでストイック。あ、あと俺が女なら間違いなく嵐の中ではJ選ぶよ。一途で純真なんだ。」
「ふふ、そっかぁ…。」
俺の胸にキスを落とす明日美。
「ん？もう一回？」
「ふふ。……ねぇ？」
身体をゴロンとさせて明日美の上に移動した俺を、明日美が潤んだ目で見つめる。
「…どした？」
「私…やっぱり…。」
「…え？」
「Aを助けたい。」
そう涙声で俺に訴える。
「『助けたい』って…。」
明日美の頬に伝う涙を拭いながら聞いた俺に、明日美が言った言葉は…。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年7月22日 13時
