１６：現状維持 〜J〜 ページ17
やっぱり、あれは一度限りの奇跡だったのか…。
そうそう奇跡や偶然が重なる事なんてなくて。
俺忙しいってのもあって、あの店に行けるのは２週間に１度あればいい方。
和「J？調子はどうっすか？」
楽屋で読書をしている俺の背後からニノの声。
「ん〜？」
振り返る事もせずに生返事。
和「『ん〜？』って(笑)」
「現状維持。」
和「そろそろニノちゃんの出番？」
「『そろそろ』って… まだ何も始まってねぇし。」
会えてすらないんだし。
「奇跡なんてそうそう起きねぇよ。」
だから『奇跡』なんだろうが。
雅「俺がミラクル起こしてあげよっか〜？」
「結構です。」
智「オイラもちょ〜美人に会いたい！」
…え？
翔「俺も！松潤の恋のお相手見てみたい。」
ええ？！
「ニノ！！」
ガバッと後ろを振り返り、いるであろうニノに一言言おうと…いねぇし！！
雅「ニノ？今タバコ持って出て行った。」
「はぁ？！！」
ちょっと…マジで勘弁してよ…。
うなだれる俺を面白がって見ているであろう３人が容易に想像できる。
翔「そんなに美人？」
あぁ。すっげぇな。
智「オイラ、美人より可愛いコ好き。」
Aさんはあんたが好みだってさ。
雅「ね？名前なんていうの？」
中山Aさん。
雅「ねぇ！！黙ってないで教えてよ！」
言わねぇよ！
こうなったら完全無視だ。
それがいい。そうしよう。
智「ねぇ〜翔くん？うちの末っ子に再び反抗期が来たよ。」
翔「ぽいね？」
雅「え？また松潤に反抗期？それは厄介だね？」
翔「あん時は大変だったからねぇ。」
智「翔くんもすごかったじゃん。」
雅「松潤ほどじゃなかったよ？」
智「松潤の反抗期はそれはそれは…。」
…あぁ！もう！！
「んだよ！！」
本から顔を上げると、ニヤニヤしている３人。
「頼むからさ…ほっといて？」
懇願する様に言っても…。
智「いつ会わせてもらえる？」
雅「松潤が会う日についてこっか？」
翔「い〜ねぇ。」
もう無理！
大袈裟にデカイ音をたてて椅子から立ち上がりドアに向かって歩く。
雅「…松潤？」
やり過ぎたと思ってんのか、恐る恐るって感じで声をかけられる。
「…ちゃんと…ちゃんと報告できる様に頑張るから…それまで頼むからほっといて？」
皆に背を向けたまま、そう呟いてドアを開けると目の前にはニノ。
ニノとは目を合わせただけで、話す事はせずに楽屋を出た。
１７：奇跡よ起きろ 〜ニノ〜→←１５：失恋パーティー 〜J〜
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年7月22日 13時
