１４：春よ来い 〜ニノ〜 ページ15
潤「ニノ。」
コンサートの打ち合わせが終わって…と言うかマネージャーに打ち止めされて、帰ろうとした所で潤くんに声をかけられた。
「ん？何すか？」
真剣な目で真っ直ぐ俺を見た潤くんが、俯いて深く息を吸ったと思ったら…顔を上げて
潤「俺…Aさんの事好きなんだ。」
って。
…え？今更？
ニノちゃんとっくにわかってましたが…なんて思っても、こんな真剣なJ見たら言えなくて。
「…で？」
潤「『で？』って？」
「それを俺に言ってどうしたいんすか？」
わかってるのに、意地悪な俺は自分からは言わない…って思ってたのに。
潤「ん？別にどうしたいなんて思ってない。ただ、お前には俺の気持ち伝えとくべきだって思っただけだよ。」
って妙にスッキリした顔で言った。
潤「んじゃぁ、お疲れ。」
そう言って颯爽と身を翻し俺とは反対の方向に歩いてくJ。
その背中を見つめるだけの俺。
俺はてっきり…
『だから、どうにかして連絡先を知りたい。』
『もう一度会わせてくれ。』
とかの類を俺に言ってくるんだと思った。
その見当が見事にハズレて呆然とする俺。
智「んふふ。松潤にもようやく春が来た。」
突然背後から聞こえた声に、身体を震わせる程びっくりして。
「おっさん！びっくりさせんなや！」
智「んふふ。ごめんごめん。」
ふにゃふにゃした笑いは、悪いなんて思って無いって物語ってて。
「…春じゃねぇっすよ？」
智「ん？」
「Jが進もうと思ってる道は決して春じゃない。」
智「…んでも前に進む事は悪い事じゃないってオイラは思うよ？」
そうだけどさ…そうなんだけど…。
そんな俺を見た大野さんは、
智「そんな顔しなさんな。外野がなんだかんだ言ったって…結局は本人だし、なるようにしかならないんだよ。」
って。
「…はい。」
翔「俺らはただ見てるだけなんだよ…所詮な。」
いつの間にか翔さんもいて…。
雅「ね？どんなコ？あの松潤が恋しちゃったコって。」
あんたも…。
「ん？教えません。」
雅「えぇ〜。ニノばっかりずっけぇ。」
智「んふふ。オイラも気になるかなぁ。」
翔「あ！俺も！」
あなた達は…Jの事考えてるって感じより、ただ面白がってません？
「詳しくは言いかねますが…。」
まさか既婚者かもしれないなんて口が裂けても言えねぇし。
智「うん？」
「これだけは言えますよ？」
翔「何？」
３人の期待の込められた目が俺に向けられる。
「すっげぇ美人です。」
３人の目が更に輝いた。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年7月22日 13時
