今日…僕は恋をした (ページ2)

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１：J ～J～ページ2

「J？今日、暇？」

楽屋で空き時間に読書をしていたら、そう声をかけられた。

俺の事を『J』なんて呼ぶヤツはひとりしかいなくて。

何となく嫌な予感も手伝って、低い声で不機嫌に、

「・・何で？」

って本に視線を向けたまま返事をする。

「そんな不機嫌に返事しなくても(笑)」

「だから、何で？」

「呑み『行かねぇ』」

俺がそう返事をするのは想定内だったのか、『フッ』って軽く笑う声が聞こえる。

多分、片方の口角だけ上げてニヤリと笑ってるっていうのも、顔見なくても想像できる。

「そんな冷たい事言わないでよ～。」

「相葉くんは？」

やっぱり本に視線を残したまま聞く。

ニノの顔を見ると、コイツの話術にハメられて行く事になりそうだから。

嵐の中で、そういうのが一番上手い策士。

まぁ、一番頭の回転も早い。
翔くんは頭がいいけど、コイツはまた違った意味で頭がキレる。

リーダーだけだな…。
唯一、コイツの思い通りになんないのは。

「あぁ～、ハニーちゃんと会うみたいですよ？」

「んで、暇そうな俺？」

「えぇ。まぁ、それだけが理由じゃないですが。」

「行かねぇ～。」

「相変わらず堅いねぇ～。」

面白そうに言うニノ。

「お前は、相変わらず軽いな。」

「ふふ…ひどっ。」

ニノに呑みに誘われると、大概女絡み…。

狙ってるコが俺のファンだとか…。
まぁ、そんな感じ。

「でも、今日は一応ね？俺のハニーちゃん。」

「あ？お前、不特定多数だったじゃねぇか。いつの間に…。」

思わず本から顔を上げてニノを見る。

あ、やべぇ…。
目合わせちゃった…。

やっぱりニヤリと笑うニノ。

「ふふふ。まぁ、ニノちゃんも？一応、本気になる事あるんすよ？」

どこまで本気で、どこから冗談だ？

「そ？それはよかった。てか、俺には関係ねぇじゃん？」

視線を本に戻し言う。

「俺のハニーちゃん道明寺のファンなのよ。」

って…。

俺が道明寺やってたの、何年前の話よ…。