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『ふう。やっと午前中終わったー…。』
塩「お疲れ。次で終わり？」
『そう！次は竜とのシーン撮って、それで終わり。』
塩「そっか、壱馬とか。」
『うん。そういえば壱馬くん、私には何も言ってこないなー。あっきーとのこと。』
塩「…まあ、一応先輩だし、中々口に出せないんじゃない？」
『そっか、確かにそうかも。』
自分の撮り分がやっと終わり、誰もいなかった控室へ一度戻り一息ついた時、出番の近いあっきーが、格好良く衣装を着こなした状態で部屋に入って来た。
最近は結構忙しくて、中々ゆっくりと話す時間もなかったから、こうして少しの時間でも二人で話せるのはちょっと嬉しい。
それなのに。
涼「あ、いた。ちょっとA、髪練習させて！久々だから明日絶対出来ない。」
『…えー、今？』
涼「今！俺、今日長いんだよ。」
『もう、分かりましたよ。』
涼「ごめんごめん、じゃあ向こうで待ってるから。」
『はーい。』
もう恒例となっている奏が妹であるAの髪を結んであげるシーンが、明日の朝一に控えている。
確かに久しぶりだし、前よりも少し髪も伸びたから仕方ないんだけど、せっかく二人で話せる時間だったのに、と去っていく涼太の背中を少し睨んだ。
『じゃあ、行ってくるかな。あっきーも頑張ってね。』
塩「…なんか、ずるいな涼太。」
『何が？』
塩「Aの髪、やれる役で。ちょっと妬ける。」
『っ、そんな、前もあったし。』
塩「前だって思ってたけど、今はもっと嫌。触れんの、俺が良かったな。」
重い腰を上げ一度身体を伸ばしてから、涼太のところへ行こうと声を掛けると、不意に腕を掴まれて、あっきーの手は私の髪に。あっきーは軽く手櫛でとかしてから、そのまま耳に掛けてくれた。
誰もいないとはいえ現場であって、それにこんなことされたのも言われたのも初めてだったから、恥ずかしくてどんどん自分の顔が赤くなってくるのが分かる。
塩「ふ、顔真っ赤。」
『だ、だって！あっきーが急にそんなこと言うから！』
塩「嫌だった？」
『いやじゃ、ないけど。でも仕事だから、涼太だってそんな、』
塩「分かってます。じゃあ、行っておいで。」
『うん、行ってきます！』
どうしよう。私達のことを知ってる涼太が見たら、絶対変に思われる。
少し触れただけの耳まで熱くて、必死に熱を冷ますよう手で煽ぎながら、涼太の待つ場所まで急いだ。
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卯月(プロフ) - 初めまして♪aloaさんの作品全部、読ませていただいてます！塩野さん関連の作品はあまり無いので繰り返し読んでいます！これからも更新を楽しみにしています！ (2020年9月6日 11時) (
レス) id: 686cae3491 (このIDを非表示/違反報告)
aloa(プロフ) - 彩華さん» コメントいただきありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです♪これからも更新頑張りますので、今後とも是非宜しくお願い致します！ (2020年6月15日 1時) (レス) id: fdd25be30d (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - 前回の作品から見てます！塩野くんの作品はなかなか無いのでとっても嬉しいです！これからも応援してます＾＾ (2020年6月14日 1時) (レス) id: 303c26c9ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aloa | 作成日時：2020年6月10日 16時
