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「じゃっ、オレ先出るわ！また！」
5人での仕事を終えて、次の予定がある岸くんが颯爽と帰っていった。
しばらくもしないうちに廉も「じゃねー」と言って出ていった。
海人はしばらく俺や紫耀に絡んでいたけど、次の現場あるから早く！とマネージャーに急かされて出ていった。
「紫耀は今日もうこれで終わり？」
「うん、おわり」
いつもならさっさと身支度して帰路に着くのに今日は動作がゆっくりとしていて、このままここで待機なのかと思ったけど違ったらしい。
さっきも特に問題もなく仕事をこなしていた。
問題なく…そう、問題はなかった。
でも、きっと、100パーセントではなかったと思う。
語弊があるかな。
よく紫耀が言ってることだ。
今の紫耀の100パーセントではある。今できることをしっかりとちゃんとやっただろう。
でも、本来の最高のモチベーションではないって感じがした。
様子を見る限り、多少の疲れはあるだろうけど体調を崩してるわけでも無さそう。
なんというか、時の流れがゆっくりとしてて。
すこし陰りがある感じだ。
近くにいるのに違う空間にいるような、手を伸ばせば届くような距離なのにいざ手を伸ばすと届かないんじゃないかと思ってしまうような、そんな感じがした。
そんなわけはないのに、確かめずにはいられなかった。
そっと手を伸ばすと、俺の手は紫耀の腕に触れることができた。
ん？と眉をピクリと上げて丸い目をして振り返る紫耀。
その瞬間、さっきまで感じていた不安を包み込まれたような気になった。
「ん？なに。笑」
そう言って俺に笑顔を向ける紫耀は、いつもは親友のようだけど、今はいくつも年上の兄の様に感じた。
「いやぁ、べつに」
「なんだよ。笑」
その後、俺たちは同じ車に乗り込んだ。
紫耀がマネージャーに1つ小さなわがままを言った。
「ちょっと、遠回りして帰りたい」
こんなこと言われるのは初めてだったろうマネージャーさんも俺と同じ何かを感じたのかもしれない。
特に深堀りもせずわかったと言って、しばらく車を走らせてくれた。
街中を好んで遠回りをせがんだわけでもないだろうと思ったのか、マネージャーは気を利かせた。
少し道の開けた信号や建物の少ない街を車は走る。
「付き合わせちゃって、ごめんね」
そう言うと紫耀は窓を少し開け、風で髪を揺らしながら夕暮れに染まる空をじっと見上げていた。
end
The Heartwarming Time→←夢のつづき Y.J
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ぬれおかき - 海はねーよなのお話ししょうれんがリアルすぎて、すごい好きなお話でした！これからも頑張ってください！ (2021年10月18日 0時) (
レス) @page24 id: cc9be56d75 (このIDを非表示/違反報告)
koi wazurai0129(プロフ) - ぬれおかきさん» ありがとうございます！ (2021年10月16日 16時) (レス) id: 12e35622a5 (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき - はじめまして！作者さんのお話しクセになるというか定期的に読みたくなるというか、とにかくお話しの内容のスタイルがすごく好みです！これからも読ませていただきます。応援してます！ (2021年9月24日 23時) (レス) @page16 id: cc9be56d75 (このIDを非表示/違反報告)
koi wazurai0129(プロフ) - akacoroさん» 読んでいただいてありがとうごさいます。拙い文章ですが、少しでも楽しんでいただけているのであれば嬉しいです。 (2021年9月20日 12時) (レス) id: 12e35622a5 (このIDを非表示/違反報告)
akacoro - 作者様！更新していただき本当にありがとうございます！！ずっとずっと何度も読み返してました！！本当に更新してくださって嬉しすぎます！！！！これからも応援してます！！ (2021年9月1日 21時) (レス) id: f3f66d79f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめみ | 作成日時：2021年8月30日 21時
