夢のつづき Y.J ページ25
楽屋に入るとどうやら俺が1番乗りみたいだ。
部屋の奥にある向かい合わせのソファーに座ろうと近づいて少し驚く。
「なんだ、紫耀いたの」
荷物をソファーに下ろしながらそう声をかけても返事はない。
そうだろうな。
どうやら、寝ているようだ。
もしかして起きているかもしれないと、一応静かに声をかけてみただけ。
こんなにでかいソファーがふたつもあって、それにまだ紫耀しか居ないってのに、目の前の人はちょこんと座って肘掛けにもたれて眠ってる。
わざわざ起こすこともないと、そっと向かいのソファに腰を下ろす。
しばらくスマホを触っているとガチャりとドアが開き、残りの3人が一斉に入ってきた。
「おつかれ。みんな一緒？」
「うん！そこでたまたま一緒になった！…て、あれ、紫耀もいたんだ！」
3人が入ってきた物音と今日も元気そうな海人の陽気な声。
紫耀の体がピクッとして、そっと目が開いた。
「……あ、……寝てた…」
「おはよう。笑 おつかれ。」
「…おはよう」
全然昼下がりなんだけど、おはようと返してくる紫耀にふっと表情が緩む。
「この前も仕事だったの？」
「うん…ざっしのしゅざい」
まだぽやぽやしてるわ。笑
幼な子みたいに目をくしくしとしながら、ぽやぽやしている紫耀にまだ時間あるから寝ててもいいよって言ったけど、「ううん、いい」と言って再び寝ることはしなかった。
しばらくするとぽやぽや感はなくなって、時々話を振られては返答している。
まだ眠気が残るのか、特に何をするわけでもなくソファーに腰掛けたまま斜め下を見つめている紫耀。
その目は焦点が合ってなくて、どこか寂しげな色を滲ませているように見えた。
「なんか夢でもみてた?」
「……んぇ？」
突然俺にこんな言葉をかけられて紫耀の視線が持ち上がり俺の瞳を映した。
「さっき。寝てたとき」
「…あ、あぁ。…みてたよ。…でも、なんで？」
「いやぁ、なんとなく」
不思議そうにまっすぐ俺を見つめて数秒後、紫耀の視線はふっと線香花火の最期みたいに地面に落ちた。
「……………ジャニーさんのゆめ」
.
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ぬれおかき - 海はねーよなのお話ししょうれんがリアルすぎて、すごい好きなお話でした！これからも頑張ってください！ (2021年10月18日 0時) (
レス) @page24 id: cc9be56d75 (このIDを非表示/違反報告)
koi wazurai0129(プロフ) - ぬれおかきさん» ありがとうございます！ (2021年10月16日 16時) (レス) id: 12e35622a5 (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき - はじめまして！作者さんのお話しクセになるというか定期的に読みたくなるというか、とにかくお話しの内容のスタイルがすごく好みです！これからも読ませていただきます。応援してます！ (2021年9月24日 23時) (レス) @page16 id: cc9be56d75 (このIDを非表示/違反報告)
koi wazurai0129(プロフ) - akacoroさん» 読んでいただいてありがとうごさいます。拙い文章ですが、少しでも楽しんでいただけているのであれば嬉しいです。 (2021年9月20日 12時) (レス) id: 12e35622a5 (このIDを非表示/違反報告)
akacoro - 作者様！更新していただき本当にありがとうございます！！ずっとずっと何度も読み返してました！！本当に更新してくださって嬉しすぎます！！！！これからも応援してます！！ (2021年9月1日 21時) (レス) id: f3f66d79f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめみ | 作成日時：2021年8月30日 21時
