2 ページ21
店について店内をうろつく。
初めはなんとなく一緒に見とったけど俺は好きなブランドの服に夢中になって、次から次へと服やら靴やら鞄やら物色。
紫耀はというと、まぁそもそも俺の好みの店で紫耀好みの服があったわけでもなさそうで、試着室の側のソファに腰掛けて俺が興奮している様を嬉しそうに見とる。
俺も俺で久しぶりの買い物で嬉しくて。
「紫耀ごめん！ちょっとこれ試着してきていい？」
と、店内に誰も客がいないことをいいことに、自分でも笑えるくらい弾んだ声で紫耀に向かって叫ぶ。
「おう、行ってこーーい。笑」
紫耀は両手をダボダボのズボンのポケットに突っ込んで両足をこれでもかというほど広げてソファにしずみこんで座っている。
紫耀が退屈してたのなら悪いなと思ったけど、そうでもなさそうやからありがたく試着させてもらうことにした。
店員さんにすすめられるまま4着ほど試着をして、結局全部を買うことにして試着室を出ると、ソファで俯いていた紫耀がハッと顔を上げる。
「わりぃ、めちゃ待たせ！」
「買うものもあった？」
「全部買うわ！！」
「マジかよ。断れなくて？」
「それは紫耀やろ。笑 俺はちゃんと断れるから！笑」
「すげーな、、」
紙袋を下げて車に戻り、まだ夕食には早いからもう一軒俺のすきな店へ行くことになった。
「ほんまによかったん？また俺のチョイスで。」
「ん。だって俺いまべつに服に困ってないしさ。」
「いや俺も別に服には困ってへんで？笑」
「そーなの？」
どこまでが本気でどこまでが冗談なんやこいつは。笑
次の店でも俺は楽しくなってもうて。
試着を繰り返し店員さんにおすすめの着こなしなんかも聞いたりして。
ただ今回の店にはさっきの店みたいに大きなソファは無くて、小さな椅子が試着室の真横にちょんと飾ってあるだけやった。
紫耀は手持ち無沙汰に服を触ったりしとったから店員さんが紫耀に話しかけてもうて。
「あ、そいつは今日は付き添いなんすよ。まぁ気になるものがあったら自分から言うと思いますんで。」
って言うといた。
これで紫耀が欲しくもないものを買ってしまうことはないやろう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬれおかき - 海はねーよなのお話ししょうれんがリアルすぎて、すごい好きなお話でした！これからも頑張ってください！ (2021年10月18日 0時) (
レス) @page24 id: cc9be56d75 (このIDを非表示/違反報告)
koi wazurai0129(プロフ) - ぬれおかきさん» ありがとうございます！ (2021年10月16日 16時) (レス) id: 12e35622a5 (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき - はじめまして！作者さんのお話しクセになるというか定期的に読みたくなるというか、とにかくお話しの内容のスタイルがすごく好みです！これからも読ませていただきます。応援してます！ (2021年9月24日 23時) (レス) @page16 id: cc9be56d75 (このIDを非表示/違反報告)
koi wazurai0129(プロフ) - akacoroさん» 読んでいただいてありがとうごさいます。拙い文章ですが、少しでも楽しんでいただけているのであれば嬉しいです。 (2021年9月20日 12時) (レス) id: 12e35622a5 (このIDを非表示/違反報告)
akacoro - 作者様！更新していただき本当にありがとうございます！！ずっとずっと何度も読み返してました！！本当に更新してくださって嬉しすぎます！！！！これからも応援してます！！ (2021年9月1日 21時) (レス) id: f3f66d79f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆめみ | 作成日時：2021年8月30日 21時
