救世主 ページ43
＊
ぎゅっと目を瞑って、
ジェジンくんの名前を心の中で呼ぶ。
須田くんの手が伸びてきて、
わたしの腕に触れようとした時。
甲高い声がフロアに響き渡る。
『あれーーーっ！
須田先輩じゃないですかーー！』
その声に、須田くんの手がピタっと止まる。
びっくりして目を開けると、
そこに現れたのはマミちゃんだった。
須田くんを見つけるなりマミちゃんは、
須田くんの元に駆け寄る。
『須田先輩！お久しぶりですねーー！
今日は須田先輩どうしたんですかーー？』
『あぁ、マミちゃん。久しぶりだね。』
須田くんは、マミちゃんの登場に少しは驚いてはいたものの、何事もなかったかのようにいつもの須田くんに戻っていた。
正直、助かったと思った。
「あっ、あの、
わたしこのあとの会議の準備があるから、
もう行くね？」
『え、あっ、おいっ、』
「ごめんね須田くんっ！
また、日本に帰った時にでも。じゃあ、」
『おい、A！』
須田くんに呼び止められたことは
分かっていたけど、
わたしは一刻も早くこの場から離れたくて。
須田くんの顔を見ずに、別れの挨拶をだけをして、机に置いてあった会議の資料ファイルを胸に抱えて、フロアを出た。
廊下を突き進んで、
初めに見えた会議室に入って鍵をかける。
その瞬間、
わたしの目からは涙がこぼれ落ちた。
息が吸えないほど胸が苦しい。
わたしはその場にしゃがみ込んで、
声を殺して泣いたんだ。
＊
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moco(プロフ) - のりこさん、初めまして！もこと申します！コメントありがとうございました、嬉しくて泣きそうです(TT)いつも誤字脱字が多すぎてすみません。頑張って更新しますのて、また読んでいただけると嬉しいですです！ (2018年3月10日 23時) (
レス) id: 09d7dc74fa (このIDを非表示/違反報告)
のりこ - お話ができる度に楽しみに読ませて頂いてます (2018年3月10日 21時) (レス) id: 9972616781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moco | 作成日時：2018年1月29日 19時
