恋の色 ページ29
＊
そうしているうちに、
カウンターにドリンクが運ばれてくる。
『あ、Aちゃんのやつ、はいどうぞー。』
「わー…キレー…」
『でしょ？
それね…″恋の色″っていうんだよ。』
目の前に出されたカクテルは、
淡いピンク色と、濃いピンク色の
グラデーションになっていて、
名前の通り、
─────『恋の色』
という表現にピッタリだった。
わたしの恋の色は、
こんな色だっただろうか？
もっと、嫉妬と不安にまみれた、
汚い色だったんじゃないだろうか…
こんな綺麗な恋の色なんて、
わたしには到底似合わない。
『飲んでみて？
きっとAちゃん好きだよ？コレ』
「なんだか飲むのが勿体ないなー」
いつもそうやって女のコにお酒勧めてるの？
ほらね、またこんな感情。
そう思ったら、
少し胸が痛くなって余計飲むのを
ためらってしまう。
『じゃあ、乾杯しよ？』
「…うん。」
グラスを交わすと、
グラデーションだったピンク色が
揺れて混ざりあう。
ひと口飲むと、
ほんのり甘くてとても美味しかったんだ。
「んー、おいしーっ、」
『でしょ？良かった。
それ飲んだらさ、きっと恋できるよ。』
「えっ？」
『あ、もう恋してたらごめんね？』
「…ううん。」
『きっと、Aちゃんの恋は
その色みたいに、綺麗な恋ができるよ。』
綺麗な恋。
「…ありがとう。」
逃げてばかりいたわたしが、
そんなものまたできるのだろうか。
恋の色は…
そんなに綺麗なものじゃないよジェジンくん。
心の奥底で、少しだけそう思った。
＊
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moco(プロフ) - のりこさん、初めまして！もこと申します！コメントありがとうございました、嬉しくて泣きそうです(TT)いつも誤字脱字が多すぎてすみません。頑張って更新しますのて、また読んでいただけると嬉しいですです！ (2018年3月10日 23時) (
レス) id: 09d7dc74fa (このIDを非表示/違反報告)
のりこ - お話ができる度に楽しみに読ませて頂いてます (2018年3月10日 21時) (レス) id: 9972616781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moco | 作成日時：2018年1月29日 19時
