35: SatoshiSide ページ7
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ちょっと触れただけですぅーっと開いたドアの向こうに
下向いてしょぼくれてる、見慣れた男が一人。
智「おかえりダーリン(笑)」
和「誰がダーリンだこのヤロウ」
智「・・・(笑)」
和「何笑ってんだよ、そこどけっ」
両手にぱんぱんのコンビニの袋。
それをわざと俺の脚にぶつけながら部屋に入ってくる。
ソファで起き上がって見つめるAﾁｬﾝのことを
チラッと見もしないでずんずんキッチンへと歩いてく。
乱暴に袋をカウンターに置いて
乱暴に冷蔵庫の扉を開いて
乱暴に買ったものを詰め込んでいく。
智「物はやさしく扱えよ(笑)」
和「うっせぇな、あんたが食うわけじゃねぇだろうよ」
智「えっ？俺にもなんか買ってきてくれたんじゃねぇの？」
和「・・はっ？なんでおっさんのために買ってくんだよ(笑)」
つい笑いをこぼしたニノが、しまったって顔で目を閉じる。
それからゆっくりと冷蔵庫をしめると
またもう一度その扉を開いて
ペットボトルを1本手に取ってまた扉をしめた。
智「こんだけ買って、俺のねぇのかよー」
和「・・・」
茶化していう俺の横を無言で通り抜ける。
両肩を、両腕をだらりと下におろして
ぺたぺたと歩く足音が俺と、Aﾁｬﾝの間に響く。
「・・っ・・・」
きっと仏頂面なんだろう。
俯いたまま、ソファにいるAﾁｬﾝにボトルを無言で差し出す。
そんなニノを怯えたように見上げながら、大きく肩で息をする。
・
智「なんか言っ＿＿」
和「ただいま」
・
和「ただいま、A」
・
その思いがけない一言目に
Aﾁｬﾝはびっくりして震えながら頷いた。
”おかえり”が多分出てこなくて
震えながら何度も頷いた。
ニノがゆっくりとAﾁｬﾝの足元にしゃがむ。
差し出したボトルを床にそっと置く。
片手で頭をちょっとかきむしってから、やっと。
Aﾁｬﾝを見て、小さく言った。
・
和「もう、どっこも行くなよ」
「・・・」
和「俺も、どっこも行かないから」
・
背中で聞こえる
ニノの優しい柔らかい
あったかい声。
・
和「心も、体も、お前の全部」
「・・・」
和「俺から離れんなよ」
・
閉まるドアの向こうで聞こえた
うわーんってまるで漫画みたいな泣き声に
笑って息をついた。
・
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桃ちゃん(プロフ) - 5年前にもコメントを残しましたが、私は本当にこのお話が大好きです。嵐が活動休止をした今。二宮くんが大好きな人と幸せな時間を過ごせる時間が増えればいいなと思いながらまた読ませていただきました。素敵な作品をありがとうございました (2021年1月1日 16時) (
レス) id: e730e415a2 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - こんな素敵な作品をこの世に残してくださってありがとうございました。何回読んでも何年経っても、seiraさんの作品が大好きでたまりません。seiraさんの幸せを心から願っています。 (2020年4月7日 10時) (レス) id: eedefae9ed (このIDを非表示/違反報告)
まつこ(プロフ) - Seiraさん、更新が止まってからもう5年も経ったんですね。それから一年に一回はこの世界のカズと彼女に会いたくなります。温かい熱のこもった愛を注ぎ合う2人に会いたくなります。本当に素敵な作品を生んでくださったことに感謝だけでも伝えたくて。 (2019年7月11日 3時) (レス) id: 3a8a58d763 (このIDを非表示/違反報告)
mee(プロフ) - 大好きな作品です！また続き読みたいです！ (2017年3月17日 17時) (レス) id: b9b18b5dca (このIDを非表示/違反報告)
るん(プロフ) - お久しぶりです！更新が止まってから3年ぐらいですかね…何年たっても私のナンバーワン作者様に代わりはありません。大好きです。またいつか出会えるまで楽しみに待ってます♪ (2017年3月8日 14時) (レス) id: 2caae77e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Seira
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/seiralist/
作成日時：2014年5月15日 15時
