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あたしの思考は停止状態なのに
車は滑らかに街並みを走り抜けていった。
流れる景色。溢れる人の波。
言葉をなくしたまま黙る私を
カズは時折ミラー越しに覗いては微笑んだ。
こういう時どんな顔をしたらいいの。
良いことか、悪いことかそれすらわからなくて。
ただシートに沈んで外を眺めつづけた。
やがて視線の先に見えた建物に、車はどんどん近づいていく。
「カズ・・・」
和「はいついたー」
「カズ、ここって・・・」
裏からはいり、地下へ降りていく。
関係者専用ゲートを抜けて奥へ。
車が止まり、先に降りたカズがドアを開けた。
和「お嬢様お手をどうぞ」
「・・・ここ、こ、ここって」
和「にわとりか(笑)いいからとりあえず降りろって」
そのあとはもう何も声にならなかった。
出迎えてくれた支配人さんは、唖然とする私に
支「先日ご用意させて頂いたお部屋よりも、いいお部屋をと二宮様が
おっしゃいまして・・・お二人様に気に入っていただけたら嬉しいのですが」
そうニッコリ微笑むと、スーツケースを運ぶベルボーイと一緒に歩き出す。
そのあとを、カズと私はついて行った。
和「櫻井家が昔から世話になってんだって」
「・・・」
和「どういう生き方すれば世話になれんだろうな」
「・・・」
エレベーターは上へ上へと私たちを運んだ。
多分、いや確実に。
普通に生きていたら入ることのないフロア。
上質な絨毯が敷かれた廊下をそっと歩く。
支「こちらでございます」
扉がひらき、スタスタとカズが入っていく。
ゆっくりと目を閉じた。
深く息を吸った。
支配人さんとカズが何か話すのを、まるで水の中にいるように聞いた。
心臓がドキドキバクバク胸を打つ。
やがて、壁にもたれたまま立ちつくす私に
丁寧にお辞儀をして、支配人さんは出て行った。
大きな窓の向こうの景色を見つめるカズの背中。
そう言えばいつもと違う、キレイ目の服。
濃いグレーの細身のパンツに、白シャツに緩んだネクタイ。
窓越しに目が合った。
もしかしたらその時もう、私は泣いてたのかもしれない。
近づいてくるカズの姿がどんどん滲んで揺れた。
私の両手を包むように握ると
和「びっくりしすぎ(笑)」
そう囁いて、笑った。
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にの大好き - すっっっっっっっごく面白いです！！ まだ途中までしか読んでないのですが、とってもキュンキュンくるし、感動もします♪ こんな小説が書けるだなんて凄いです…！ (2016年5月18日 19時) (
レス) id: 4d8ce83bc8 (このIDを非表示/違反報告)
ムーナカ(プロフ) - すごく良かったです( *´艸｀)笑いながら泣きながらキュンキュンしながら読みました☆キュンとするストーリーは他にもあっても、楽しい気持ちになったりじいんとくるのは初めてでした！素敵な作品をありがとうございます☆ (2014年8月12日 1時) (レス) id: ab0f1719b7 (このIDを非表示/違反報告)
あきち(プロフ) - やったあ（≧∇≦）ちょーちょー楽しみ！あの二人のやりとり大好きだったんですよー！あっちの方も((〃ﾉωﾉ))！期待してまーす！ああ、年末がんばれる！ (2013年12月3日 0時) (レス) id: 366b2ce238 (このIDを非表示/違反報告)
Seira(プロフ) - アキさん» ボロボロ泣いてくれてありがとうです｡ﾟ(PД｀q｡)ﾟ｡まもなく続きUPしますのでまた楽しみに読みに来てくださーい(｡･ω･)ﾉﾞ (2013年12月3日 0時) (レス) id: 6e5f42385e (このIDを非表示/違反報告)
Seira(プロフ) - ゆきだるまさん» ゆきだるまさんありがとう(つω｀*)ﾃﾍまもなく続編UPします♪また遊びに来てくださいねー！ (2013年12月3日 0時) (レス) id: 6e5f42385e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Seira
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/seiralist/
作成日時：2013年7月14日 9時
