59:恋する理由 ページ26
・
・
ふふっとカズは笑って、鼻の頭を指でかく。
困って、恥ずかしくって、私は泣きそうになる。
・
・
和「お前が、気づかせたんだよ」
「あたし・・・？」
和「俺なら、どんな自分でも受け止めてくれるって思ったって言ったろ」
「ぁ・・・うん」
和「ほんとだ、ってそん時俺も気づいてさ。お前みたいなバカを
丸ごと受け止めちゃってる自分にビビったよね(笑)」
「またバカっていう・・・」
和「バカはバカだろ(笑)」
・
おでこを指でツンと突っつかれて、思わず後ろによろめいた私を
自分でそうしたくせに、笑いながらカズが腕の中に引き戻す。
・
・
「・・・どうして好きなの？」
和「は？」
「あたしみたいなバカ、何で好きなの？」
和「なんでって・・・理由いる？」
「・・・だって」
・
・
ゆっくりゆっくりと、カズの両手が私の顔を撫でる。
確かめるように、慈しむように。
・
・
和「恋すんのに、理由なんていらねーだろ」
「・・・・・」
和「理由がない好きほど、本物なんじゃねぇの？」
・
・
二人でいることに、何か確かな理由が欲しくて。
理由があるから、愛されると思ってきた。
・
・
・
和「だから、くだらねぇこと考えてないで」
・
・
和「黙って、俺だけのバカでいりゃいいの」
・
・
・
甘く、甘い恋という毒に
心が、脳が痺れていく。
・
・
・
和「A」
・
・
・
自分の名前が嫌いだった。
もっとかわいい名前が良かったと何度も思って生きてきた。
なのに。
カズに呼ばれた自分の名前は、何よりも愛おしく耳に響く。
・
そっと触れた唇は、少しずつ少しずつ押し当てる力を強くした。
二人の吐息がどこにも零れないような、甘いキス。
・
・
・
静かなキスで、息の上がる私を柔らかく見つめる。
その瞳に、私が映る。
・
・
・
和「好きだよ」
・
・
・
囁く声に、恋する理由を知った。
・
the other side of love【1】→←58:スキ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1478人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃんこ?(プロフ) - わー、もうすきです。何回読んでも泣けます。感動作です。大好きです。 (2015年10月24日 23時) (
レス) id: 7cd6255155 (このIDを非表示/違反報告)
キィ(プロフ) - ものすごくいいです( ;o; ) (2014年12月31日 12時) (レス) id: a8abba2e9b (このIDを非表示/違反報告)
しゃむ(プロフ) - やばいっ// (2013年12月29日 20時) (レス) id: 62a7618415 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ - にの、やばいwwめっちゃかっこよす(^o^)/ (2013年12月29日 2時) (レス) id: 20a30ec314 (このIDを非表示/違反報告)
Seira(プロフ) - 綾香嵐さん» とんでもなく遅いレスでごめんなさい（泣）コメント欄に気づかずとはいえ失礼いたしました（´pωq）続きも読んでいただけたなら嬉しいです…♪泣いてもらえて感謝カンゲキ(*´∀`)♪ありがとうー☆ (2013年10月25日 1時) (レス) id: 6e5f42385e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Seira
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/seiralist/
作成日時：2013年1月27日 21時
