恋する理由【Nino】 (ページ10)

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10:翌朝ページ10

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翌朝、というか昼も近い頃。

こめかみを誰かの足で踏まれて目が覚めた。

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「・・・っいだ・・い」

和「おーきーろーやー」

「・・大きな声、ださないで(泣)」

和「あぁ？・・・ったく。人んちで、よくもまぁそんなにスヤスヤと寝れるわ」

「お・・願いだか・・・足・・・その臭い足どけて・・・」

和「お前今、アイドルの足を臭ぇとか言ったな！？」

「二日酔いで・・・頭われそうなんだってば(泣)」

和「・・・ご主人様に言う口調がそれ？」

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「その、大変臭われる足を、おどけ下さい(泣)」

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ありえない配色のボーダーソックスが視界を横切って。

鼻の真ん前にまた押し付けながら

和「ハンバーグつくっとけよ。食えるやつ」

そう、ご主人様は言いのこして出かけて行った。

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すぐそばのテーブルには鍵とお金

それと、スーパーまでのへたくそな地図。

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その横に、頭痛薬と

”バカ専用”

とマジックで書かれたペットボトルの水が置かれていた。

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主がいなくなった部屋を、ゆっくりと見渡しながら薬を飲む。

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・・・これから、どうしよう。

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いつまでも、ここにいられない・・・よね。

具体的な期間を言われてはいないけれど

まさかアイドルの家にいつまでも住めるわけない。

彼女とか、大丈夫なのかな。

いやそれ以前に事務所とかばれたらやばくないの？

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まだズキズキと痛む頭を押さえながら、ため息をついた。

考えなきゃいけないことは、もっと他にあると知ってる。

このままなぁなぁにできないことも知ってる。

だけど、ほんの少しそれを先延ばしにしたくていらぬことばかり考えた。

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痛みがおさまるまでのしばらくを、そのまま布団にまた潜り込んで過ごす。

ブラインドの隙間から見える冬空は、青く眩しい。

天気よさそう・・・今のうちに買い物行こうかな。

ていうか、ハンバーグ何時に作っとけばいいんだろう。

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ぼんやりと起き上がりながら、目に入った鍵を見て

ここの暗証番号聞いてないことをふと思い出した。

だめじゃん、これじゃ買い物行けない・・・。

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そう思ったとき、窓際の机の上で私の携帯が鳴った。

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