恋する理由【Nino】 (ページ32)

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32:恋の予感ページ32

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声を上げて、更にはお腹かかえて。

挙句の果てに、涙流して笑うカズを唖然として見つめてたら

流れていたはずの涙は潮のように引いていった。

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「ちょっと」

和「っひぃ・・・っふ・・・待って(笑)」

「ちょっとってば」

和「あー腹いてぇ・・・」

「そんな笑うことないじゃない。自分で言ったことでしょ？大体」

和「はいはい(笑)」

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少し口尖らせて、ふてくされてみたけれど。

本当はカズが笑ってくれて嬉しかった。

笑いながら、頭をぐしゃぐしゃされたことも

やめて、って手を払いのけたくせに・・・嬉しかった。

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カズが、笑うと

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・・・・・嬉しくなる。

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それって・・・

どうなんだろう。

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和「・・・お前がいて、よかったわ」

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小さく聞こえた言葉に、私の”無駄な女性ホルモン”が悲鳴をあげて。

吸った息が、ヒュゥと音を立てて喉で急ブレーキをかける。

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私も、カズがいてくれてよかった・・・よ。

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何の気なしに答えればいいだけなのに、言えないのはきっと。

さっきから収まらずに激しくなる鼓動のせい。

心の奥が、ザワザワうるさいくらいに苦しくて落ち着かない。

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カズの指が流れるように鍵盤の上で踊りはじめる。

柔らかく、穏やかで、優しい音色。

ふんわりと、時に切なげな音楽をカズが奏でていく。

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”何の曲？”

そう必死に出た掠れ声で尋ねると

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”バカのための曲”

鼻で笑いながら、楽しそうにカズは言った。

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