恋する理由【Nino】 (ページ27)

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27:カズの恋ページ27

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「俺もだよ、ってこの間言ったじゃない？」

和「・・・」

「あれって、カズも・・・その私みたいなことあったの？」

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うつぶせに寝ころんだまま、顔は向こう側を向いてる。

少しの沈黙のあと、カズは鼻で深いため息ひとつついた。

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和「お前と一緒じゃねぇよ(笑)」

「・・・」

和「でもまぁ・・・向こうが俺に求めた理想と。
俺が考えてた理想が違ったってとこだろうな」

「理想？」

和「お前言ってたじゃん、あの日店で。向こうは、仕事できる自分を好きだって
言ってくれてたのに、本当はそれが向こうにコンプレックスを与えてただけだったって」

「・・・ぅん」

和「俺の場合はさ、お前みたいに頑張って理想に近づこうとかしなかったから。
逆のパターンだな。あいつが求める俺に、全然なれなかった」

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向こう側を向いていた顔を、こっちに向けて

”なんでお前が泣きそうな顔してんだよ(笑)”

ってまた足を蹴飛ばして笑う。

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和「俺の場合はほら、イメージありきの仕事じゃん。俺はさ、仕事も
普段も全然使い分けとかしてるつもりもねぇんだけど。
あいつは・・・いつもなんか違う違うってばっか(笑)
自分だけの俺がほしかったとか言ってたね、そういや」

「自分しかしらないカズが欲しかったのかな」

和「そういう文句も、俺のことを好きだからこそだと思ってたんだけど？」

「ど？」

和「ちゃっかりほかの男と熱愛宣言されちゃうとか？」

「・・・・・えっ！あの子！？」

和「ご存じなようでなにより(笑)」

「・・・すっごいかわいいよね」

和「かわいいねぇ」

「すっごい足細いよね」

和「まぁお前よりはね(笑)」

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そう言って、ふくらはぎをいきなり鷲掴みにされる。

今度は蹴り返してやろうとカズの顔を見たとき、カズの小さい声が聞こえた。

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和「俺が・・・間違ってたのかね」

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組んだ両手の上に顔を乗せたカズの顔は

今まで見たことのない

寂しい顔をしていた。

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