恋する理由【Nino】 (ページ15)

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15:ハンバーグページ15

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ゴンﾁｬﾝとの電話を切ったあと、しばらくソファでぼんやりしていると。

なりだした携帯の画面がありえない文字を映していた。

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和「３コールででろや。どーせ暇なんだから」

「・・・なんなのこれ」

和「帰んのたぶん、23時過ぎだな」

「なんなのこれ、って聞いてるんですが」

和「何が」

「・・・・・勝手に”ご主人様”とか登録しないでくれる！？」

和「間違ってねぇだろーが」

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勝手にひとの携帯操作して。

そりゃ充電とかは・・・助かったけども。

ていうかもうご主人様ってどういうことか確認しとくべきかしら(泣)

居候はありがたいし助かるけれど、このペースについてけるか・・・

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切り際に

和「酒とゲロ臭い体、洗ったんだろうな」

ふんと鼻先で笑って言われたのを思い出し、シャワーを浴びた。

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洗面台に無造作に置かれたシェービングフォームを目にしたとき

あぁ、そうかカズも男なんだと。

ふと訳もなくドキドキした。

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腫れぼったい顔をスッピンのままメガネで隠して外に出る。

平日のこんな時間にノンビリ買い物なんていつ振りだろう。

幼稚園帰りだろう親子が、夕ご飯何にしようねぇと

楽しそうに話しながら通り過ぎていく。

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頬を切るような冷たい風のおかげで、滲みだした涙は涙腺で立ち止まった。

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ハンバーグ。

ハンバーグ。

ハンバーグ。

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たくさん作ろう。

保存する分も合わせてたくさん作ろう。

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あのご主人様が驚くくらい、美味しいハンバーグを作ってやろう。

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ご丁寧に、メアドも登録してくださったご主人様に

歩きながらメールを送る。

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”早く帰ってきてね(はーと)”

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「・・・きもっ(笑)」

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どんな顔してこのメール見るのかな。

ちょっとやりすぎた？

でもそんな不安も、どこか少し楽しかった。

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