恋する理由【Nino】 (ページ3)

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かったるそうに、両手をあげて伸びをする。

その様子をそっと横目でのぞく。

キャップを一瞬はずして、頭をガシガシかくとまたすぐかぶった。

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・・・・・なんか、みたことある・・・？

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もう一度隣を見ると、縁のあるメガネごしに私を見る目とぶつかった。

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「どこか、で会ったことあります？」

:「ない」

「いや、あると思うんだけど・・・気のせいかな」

:「こんなバカ会ったことあれば、忘れるわけないじゃん♪」

「・・・確かにね、私もこんな毒舌男に会ってたら忘れるわけないわっ♪」

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アハハ―なんて乾いてふざけた笑いを二人であげる。

それから

さっき言われたことを思い出して、また下を向いた。

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どこに行こう。

こんなとき、突然夜遅くに泊めてくれる友達ってそういない。

家庭を持ってる子はもってのほかだし。

仕事ある子には迷惑だし。

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つき合いが広く浅くじゃない自分は、性に会ってるけれど

こういう時に寂しさがすごい勢いでやってくる。

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マ「どうするの、マジで今夜」

「・・・ビジネスホテルか・・・ファミレスでとりあえず」

:「とりあえず朝迎えてそれからどーすんの」

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そんなの私だって知りたい。

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あの部屋から、あの二人で過ごした部屋から一刻も早く逃げ出したかった。

しばらくいてもいいとナオトは言った。

俺が全部悪いから、そんな追い出すなんてことできないと。

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その言葉が、追い出したようなものなのに。

同じ空間にいたら、ことあるごとに責めてしまいそうだった。

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”どうして？ねぇ、どうして？”

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答えは最初に聞かされたけれど、記憶違いかもしれないと

思い出すことすら脳が拒否する。

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:「そんじゃー・・・さ」

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カウンターに置かれた私物をジャケットのポケットにいれながら

勘違いじゃなければ楽しそうに、彼は言った。

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:「うち、くる？」

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