6 ページ19
.
しばらく固まってると、有岡くーん？とけいさんが声をかけてきた。
「あの、ごめ…「あれ？けいくんどうした？この時間来るの珍しいね！」
「大将だぁ〜こんにちは！」
ちょうど出てきた大将に挨拶して、“今日は早起きしました！”と言ったけいさんは大将に“早起きってもう10時だぞ！”とツッコまれて、ケラケラ笑ってる。(かわいい)
「大ちゃん、突っ立てないでトマト持ってきて！今日のプチトマトうめーぞ！」
「本当？やったぁ〜」嬉しそうな笑顔が俺に向かってる。「お願いね、有岡くん」
「――っ、は、はい！」
やめて…今の反則だよ…
心臓バクバクしすぎて止まっちゃいそう…
会計してる間にけいさんと大将の会話を聞いて分かったこと。
実はここの常連で、週3〜4ぐらいのペースで来てる。
いつも夕方に来るから午前中だけシフト入ってる俺に会ったことがないわけ。
トマトが大好きで毎回絶対買う。
苦手な野菜はほうれん草とカリフラワー。
どうでもいいことばっかりかもしれないけど、けいさんに関する情報が入って素直に嬉しい。
「そっか、大ちゃんの髪型変えたのがけいくんなんだ！」
「はい、有岡くんにカットモデルやってもらいました」
ね？って、俺の目を見てニコっと笑う。
ドキッ。
「あっ、はい！先日はお世話になりました！」
「もう〜さっきからめっちゃ敬語！こっちが馴れ馴れしく聞こえるじゃん」
「あっ…」緊張するあまりについ…タメ語で行こうって馴れ馴れしく言ってたのは俺なのに…！
「ははっ、大ちゃんどうしたんだい？仕事中とは言えガチガチしすぎやないか！」大将は俺の代わりにトマトやら小松菜やらを袋に入れてけいさんに渡して、「おい、ボーとしない！お釣りまだだろう！」
「…っ！すみませんでした！っぁ…」
また敬語出ちゃった…何やってんだ俺…
慌ててお釣りを渡そうとすると、けいさんはそれを受け取ることなく、なぜかじっと俺の目を見つめてる。
えっ…なんで…どういうこと…？
やっぱり引かれてる…？
「けいさん…？」
おずおずと声をかけてみたら、けいさんは突然手を伸ばして、俺の前髪を触ってきた。
従って顔も近づいてきて…
ドキッ、
「前髪、伸びたね」長さを確認してるのか、細い指先で前髪をいじいじ。
真夏なのに、指先が少しひんやりしてる。
「バイト終わった後時間あったら寄ってきて、少しだけ短くしよっか」
前回みたいに頭をぽふぽふされた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 189人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yoku | 作成日時：2019年9月16日 0時
