【恋うた】Disc 1 (ページ18)

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「ただいま戻りました！」

「おお！ご苦労さん！」

恒例の配達が終わって八百屋に戻ると、大将が一人で車から積み荷を卸してるところだった。

「暑かったよな？ちょっと休んでていいぞ！」

「あっ、大丈夫です！手伝います！」

「そう？あ、じゃあ水飲んできて店番頼むわ。こっちは俺一人で平気だから」

「はい！」

俺に負けないくらい汗だくな大将は“頼んだぞ”って、爽やかな笑顔で俺の頭をカシカシして、大きいダンボールを裏に運んで行った。

水分補給のために一旦休憩室に入る。

今日もあっちぃなー
朝から太陽がじりじりと照りつけて、外に出ると秒で肌が焼けるぐらいの快晴。
日焼け止め塗ってけばよかったって後悔は少しあるけど…

まあ夏だし！男だし！焼けてもいいか！

「ふぅ～きもちぃ～」

扇風機を独り占めして、雑に顔を拭いてたら、店頭から“こんにちはー”って声が聞こえた。

やべぇ、店番忘れかけてた！！

「いらっしゃいませ！何かお探しですかーっ？！」タオルを首に掛けたまま慌てて出ると、思わぬ人が目の前に現れたので、思わず息を呑んだ。

「あれ？有岡くん？」
つばの大きい黒いハットを被ってるけいさんは俺を見た瞬間パッと笑顔になって、お久しぶりだねって手を振る。

クソ…か、かわいい…

仕事の時はいつも白いシャツとチノパンツを着てる(ストーカー発言してる自覚はある。ごめんなさい。)けど、今日はシンプルなカットソーにワイドパンツ、そして長丈のチェックシャツを羽織っている。透明感のあるきれいなお肌が相まって、ぱっと見てどっかの雑誌のモデルかと思われるのもおかしくない。

「どうしてここにいるのぉ？えっ？もしかして実家なのぉ？」
質問する時首をコテンと傾けるのも、語尾にいちいち小さいひらがなが付いてそうな喋り方もかわいい…

「あっ、違います！バイトです！」

「へえ～なるほどね、だから毎日うちの前の道通るのね」

「エッ？！！」

「見てるよ、自転車に乗る姿。鏡越しだけどね」

思いも寄らない一言にフリーズしちゃった。

どっ、どうしよう…変質者だと思われたかも…

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グズグズしてて話が全然進んでないね…ごめんなさい(汗)