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「…ダメだよ。」けいさんのか細い声は、聞き逃されそうだった。「コーちゃん、って呼びたいから。」
「へ？そんな理由で？」
いつもみたいにツッコミを入れたら知念のグーパンを食らった。
一瞬でシーンとなった空間。
ついさっきまで楽しそうに知念とじゃれあっていたのに、急に曇ってきたけいさんの横顔を見てみると、微笑んでいるけどどこか辛そうで、泣きそうなほど瞳がうるうるしてる。
…俺、またいけないことを言ってしまった？
「いのちゃん、次のお客さん動物苦手じゃなかったっけ？」
「あぁ…そうだったね。じゃあコーちゃん上に連れてくね」
「うん、いってらっしゃーい」
たっぱがない俺のシャツすらだぼだぼに見えるほど細いけいさんの後ろ姿を見送ってたら、横から知念の冷たい声が聞こえてくる。
「…僕のいのちゃんに変なこと言わないでくれる？」
「え？何が変なの？」
「は？！大貴さ、マジでバカなの？！」
「何でだよ！そもそも何でいつもそんなこと言われなきゃならねえの？！」
…キレたよね、さすがに。
頭の回転が体の動きについていけなくなって、不満がつい爆発した。
「つーか“僕のいのちゃん”って何なんだよ！いっつも偉そうにしやがって！意味わかんねえよ！！」
たぶん初めて知念相手にこんな音量を出したと思う。
俺の言い分を聞いても表情が何一つ変わることなく、知念は静かに立ち上がって、俺の方にひたひたと迫ってくる。
「…っ、な、なんだよ…！」
思わず近づいた分をあとずさりして、しまいには客用の椅子に尻餅をついた。
無表情に近い顔が目の前まで来て、真っ直ぐな眼差しが少し不気味に思える…
「…なんか言えよ！」
そう促すと、突然ニカッと満面の笑みを見せて、俺の膝にちょこんと座った。
「取りあえず黙って。これ以上喋ったら出禁にするから」
「出禁って…」ここお前の店じゃないんだから！って返す言葉がまだ終わらないうちに、けいさんが戻ってきた。
「どうしたのぉ？さっき大きい声聞こえたけど…ケンカでもした？」
「ううん、そんなことないよ！ほら、僕たち仲良しだよ♡」
……またこの手かよ。
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yoku(プロフ) - ずみさん» 温かいお言葉をありがとうございます！涙出るほど嬉しいです(;_;)メンバーそれぞれの個性に沿って、言いそうな台詞を考えるのが個人的に楽しいです(笑)いつも亀更新で本当に申し訳ありませんが、これからも楽しんでいただけますように頑張ります:) (2021年6月7日 22時) (
レス) id: df50adfb63 (このIDを非表示/違反報告)
ずみ - どんな人物も個性溢れる長編ですし、ストーリーもとても面白いです。読めば読むほど夢中になって、もらい泣きでもする寸前でした。素敵な作品をありがとうございました！ (2021年6月5日 23時) (レス) id: 88ff7ddfb4 (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - みーさん» ま、まさかフォローしてるライターさんからコメント頂けるとは…！とっても励みになります！ありがとうございます！みーさんの作品をいつも拝読させていただいてますのでみーさんも頑張ってください:) (2021年6月4日 23時) (レス) id: d95cf3f703 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 切なくて毎回泣きそうになりながら読んでます。素敵なお話をありがとうございます。更新楽しみにしてます。 (2021年6月3日 22時) (レス) id: 163ee9ceaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yoku | 作成日時：2020年1月5日 0時
