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「けどね、いのちゃんはそんなこと全然しない。名字で呼ばれてるの苦手なのに、僕が勝手にいのちゃんって呼ぶのも許してくれて、褒める時もさ、他の人なら“さすが”とか、“やっぱり天才”とか、無意味に過大評価するけど、いのちゃんはいつも“知念ちゃんありがとう、助かったよ”って、僕が役に立ったという事実だけにお礼を言うの。その優しさに何度も救われたから…」
“だから、僕は決めた。何があってもいのちゃんの笑顔を守る、って”
そう言ってまた俺をじっと見つめる。
知念のその凛々しい眼差しで見つめられると、なんか急に心細くなってきた。
何やってんだろう、俺は。
けいさんのことが好きって言ってるのに、あらゆる口実を作って近づけようとしてるのに、結局けいさんのこと何もわかってないじゃん。
その天使のような微笑みの裏には、こんなに辛い過去が隠されてるとは…
世間話で満足してる自分が馬鹿すぎて、イライラする。
ていうかできるのかな、俺。
心の中にずっと誰かがいるけいさんを、俺に振り向かせるの−−
「で？話せること全部話したけど？あなたはどうするの？」
「…え？」
知念の声で我に返った。顔を上げると、品定めするような粘っこい視線をこっちに送ってる。
「それを聞いてどうするのかって聞いてんの！」
「いや…なんか…勝手に人の秘密を覗き見した気がして…正直今めっちゃ罪悪感っていうか……正直どうしたらいいか、わかんないや」
もごもごしてる俺の返事に、知念は盛大なため息をついた。
「なんーだ、ずいぶんグイグイアタックしてきたのに、ノープランかよ。期待して損したなー」
「期待したって、お前絶対してないだろ！」
「いや、してたよ。」拗ねてるのか、シャツのボタンをいじりながら予想外のことを言った。「認めたくもないけど…大貴と一緒にいると、いのちゃんいつも楽しそうだもん。久しぶりだったよ、よく笑ういのちゃんを見るの」
え…？こいつ、今何言った？
「…空耳…？」
「違うわ！ボケるな！」再びテーブルに身を乗り出して、お説教モードに切り替えた。「あんたさ、いのちゃんが嬉しそうにあんたを迎え入れるのは本当にトマトなんかが理由だと思ってんの？」
「えっ、だっていつもトマトが届いたーって…」
「うわ、信じらんない。あんなの照れ隠しに決まってんじゃん、このわからず屋！」
照れ隠しって…
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yoku(プロフ) - ずみさん» 温かいお言葉をありがとうございます！涙出るほど嬉しいです(;_;)メンバーそれぞれの個性に沿って、言いそうな台詞を考えるのが個人的に楽しいです(笑)いつも亀更新で本当に申し訳ありませんが、これからも楽しんでいただけますように頑張ります:) (2021年6月7日 22時) (
レス) id: df50adfb63 (このIDを非表示/違反報告)
ずみ - どんな人物も個性溢れる長編ですし、ストーリーもとても面白いです。読めば読むほど夢中になって、もらい泣きでもする寸前でした。素敵な作品をありがとうございました！ (2021年6月5日 23時) (レス) id: 88ff7ddfb4 (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - みーさん» ま、まさかフォローしてるライターさんからコメント頂けるとは…！とっても励みになります！ありがとうございます！みーさんの作品をいつも拝読させていただいてますのでみーさんも頑張ってください:) (2021年6月4日 23時) (レス) id: d95cf3f703 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 切なくて毎回泣きそうになりながら読んでます。素敵なお話をありがとうございます。更新楽しみにしてます。 (2021年6月3日 22時) (レス) id: 163ee9ceaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yoku | 作成日時：2020年1月5日 0時
